衛星画像と種分布モデルで害虫マイマイガの発生を予測東京農工大学
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東京農工大学のチームは、2021年から2022年にかけて森林害虫マイマイガの大発生した富山県黒部市にて、マイマイガの食害による被害分布を衛星画像にて解析し、得られたデータをマイマイガの目撃情報(在データ)として種分布モデルにて分布を推定、マイマイガの生息域の特定と発生予測に成功した。
今回富山県黒部市でマイマイガによる食害が確認された地点の写真を撮影、Google Earthで位置情報を抽出。これらをグラウンドトゥルース(地上検証データ)として用い、2022年のSentinel-2A/B(欧州宇宙機関が打ち上げている人工衛星)の画像でマイマイガの食害による樹冠の変化を検出し、被害分布図を作成。この図をMaxEntの在データとして活用を試みた。 得られたNDVI(規化植生指数)減少量による被害分布図を在データ、4つの変数(標高・斜度・斜面方位・土地被覆)を環境データとして、MaxEntを用いて富山県全域におけるマイマイガによる落葉の分布確率を算出した結果、特に標高が約400~700 m、斜度が約35~50度の落葉広葉樹林で分布確率が高いことが分かり、衛星画像を用いて作成したマイマイガの食害による被害分布図は、種分布モデルにおける在データとし活用可能であることが示された。