有機金属を絶縁体に変えるレーザー光を開発東北大学,中央大学,岡山理科大学,名古屋大学,東北大学,科学技術振興機構
物質に光を照射すれば電子に高周波数の交流電場をかけることができるが,理論計算によればこうした高周波の電場によって電子を止めるためには,物質の破壊限界をはるかに超える強い光が必要で,物質を壊さずに電子を止めることなど,これまで不可能だったところ,この度の研究により,7フェムト秒という極めて短いパルス幅の赤外レーザー光を開発した。これを用いることにより,試料を壊したり,極端な高温にすることなく極めて大きな電場(10MV/cm)を印加することを可能にした。
今後,この新しい光によって,物質の中の多数の電子を止めるだけでなく,好きな方向に動かしたり、並び方を変えたりすることによって,物質の色,電気抵抗,磁性を瞬時,自在にデザインすることなどが期待されている。