超高輝度・ハイパワー白色光源に適したYAG単結晶蛍光体を開発物質・材料研究機構(NIMS),(株)タムラ製作所,(株)光波
これまで,YAG蛍光体は,主として酸化物原料を焼結合成してつくられており,蛍光体温度が100℃から150℃以上になると急激に内部量子効率が小さくなっていたところ,今回,シリコンの単結晶作製などで使われるCZ法により,融液から育成した単結晶YAGインゴットをベースとして,プレート状,あるいはパウダー状に加工したYAG単結晶蛍光体の開発により,いずれの場合も室温での内部量子効率が0.9以上で,300℃においてもそれがほとんど劣化しないという優れた温度特性を持ち,さらに,高強度の光に対し材料自体の温度上昇が小さいという特長も併せ持つことを示した。
これを照明用蛍光体部品として用いた場合,蛍光体の固定部材である低熱伝導率のバインダーや不純物を含まないため,発生した熱が放熱されやすく,温度上昇しにくいため,従来のYAG粉末蛍光体を用いた場合と比較して,より高輝度化,ハイパワー化した照明製品が可能になる。また同時に,放熱機構の簡素化を通じた機器の小型化,コストダウンへの貢献も期待される。