OplusE 2015年5月号(第426号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
医療を支える最新光技術
- ■特集にあたって
- O plus E 編集部
- ■医療用内視鏡技術の現状と最新技術
- オリンパス 富岡 誠
- ■眼科用OCTの特徴と技術動向
- トプコン 大塚 浩之
- ■光を使ったがんの診断・治療
- 防衛医科大学校*,島津製作所**,守本 祐司*,辻本 広紀*,小関 英一**
- ■術中MRIを核としたインテリジェント手術室における光学技術が可能にする「画像・情報誘導精密摘出術」の実際
- 東京女子医科大学*,東京女子医科大学・早稲田大学共同大学院**,吉光 喜太郎*,丸山 隆志*,田村 学*,小西 良幸*,生田 聡子*,マイケルチェルノフ*,岡本 淳*,前田 真法*,正宗 賢*,**,伊関 洋**,村垣 善浩*
- ■裸眼3Dディスプレイの医療応用
- 東芝 爰島 快行
連載
- ■【一枚の写真】非侵襲・非接触で現場の物証を回収するハイパー・フォレンシック・イメージャー
- 早稲田大学 理工学術院 宗田 孝之
- ■【私の発言】時間がかかっても,正確なデータを出せば,そのデータはずっと使える
- 宇都宮大学 阿山 みよし
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第27章 周期構造に出会う光(その3)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■【コンピュータイメージフロンティア VFX 映画時評】
- Dr.SPIDER
- ■【ホビーハウス】縦横サンプリングによる動物の3Dモデル
- 映像技術史研究家 鏡 惟史
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
特集にあたってO plus E 編集部
近年の光学技術の発展は,医療分野にもさまざまな革新と変革をもたらしている。例えばCCDの小型化,高画素数化は,内視鏡の細径化による苦痛軽減や,ハイビジョン化による早期の病変部位の発見など診断精度の向上をもたらしている。本誌ではたびたび「医療と光」をテーマにした特集を組んできた。O plus E 2012年2月号(第387号)では「医師からみた光医療最前線」と題し医療従事者からみた光を使った医療という切り口で,どのように光技術をとらえどのように関わっているかを専門領域が異なる6名の医師から解説していただいている。また,O plus E 2012年11月号(第396号)では「医光連携」と題して医療における光源,光と患部組織とのマッチング,光ファイバーやMEMS(micro-electro-mechanical system)などのデバイス技術,光および画像による診断技術などを取り上げた。そのほかにも2013年5月号の特集「広がるレーザー広用」や,2014年1月号の特集「3Dプリンターによる生産革命に期待する」などでも,医療分野で活躍する光技術を取り上げている。
そこで上記記事からの進展も含め,今回「医療を支える最新光技術」と題して,医療に関わる光分野から5つの事例を取り上げ紹介することにした。
まず,オリンパスの富岡 誠氏に「医療用内視鏡技術の現状と最新技術」と題して,消化器に用いられるビデオ内視鏡の特徴を中心に,医療用内視鏡の技術や,3D内視鏡や画像強調診断技術といった最新技術についても紹介していただいた。
トプコンの大塚 浩之氏には「眼科用OCTの特徴と技術動向」と題して,アイケアの診断機器の中から特に,光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)についてOCTの基本原理や3次元眼底像撮影装置(3D OCT)の開発経緯や特徴,技術動向について紹介していただいた。眼科用OCTは,主に眼底網膜の断層画像を,近赤外光を用いて観察・撮影する装置であり,眼科での日常診療に必要不可欠な装置となっている。
防衛医科大学校の守本 祐司氏らには「光を使ったがんの診断・治療」を紹介いただいた。これはセラノスティクスと呼ばれる,ナノサイズ微粒子により薬剤を病巣に送り届けるドラッグデリバリーシステム(DDS)による治療と,イメージングによる診断を組み合わせた新しい技術であり,その中から,“ICGラクトソーム”による腫瘍への選択的集約性について解説いただいた。
東京女子医科大学の村垣 善浩氏らには「術中MRIを核としたインテリジェント手術室における光学技術が可能にする「画像・情報誘導精密摘出術」の実際」と題して東京女子医科大学のインテリジェント手術室を紹介していただいた。東京女子医科大学のインテリジェント手術室では,2000年3月の稼働以来,摘出術1,440例,覚醒下手術339例を超える実績を重ねており,現在でもより安全な治療を目指し進化を続けている。
最後に東芝の爰島 快行氏に「裸眼3Dディスプレイの医療応用」と題して,CT(コンピューター断層撮影)装置で撮影した医療画像を専用眼鏡なしで3D表示するシステムをご紹介いただいた。眼鏡式の3Dディスプレイの欠点を補うことで医師の負担軽減だけでなく,手術の安全性や効率,さらにはカンファレンスや医学教育,インフォームドコンセントでの活用も期待されている。
本特集で,多くの方に“医光連携”に興味を持っていただき,今後のさらなる発展を願ってやまない。最後に,ご多用中にも関わらずご執筆をご快諾いただいた著者の皆さま,関係者の皆さまに心から感謝申し上げる。
広告索引
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