ペロブスカイト太陽電池の変換効率,記録公認で15%を達成物質・材料研究機構(NIMS),太陽光発電材料ユニット
これまで,ペロブスカイト太陽電池の変換効率は,ほとんどが小さな面積のセル(約0.1cm2)で得られたものである。そのため測定の誤差が大きく,測定方法も公開されていないため,信頼性を有するデータに基づくペロブスカイト太陽電池の発展には,国際標準試験機関での公認エネルギー変換効率を得ることが急務となっていた。今回,発電層に使用されているペロブスカイトの塗布方法を改良することにより,表面の凹凸を制御して変換効率および再現性を向上させた。また,電荷(キャリア)を輸送する層の材料について,新たに吸湿性が低くキャリア移動度の高い材料を開発することにより安定性の改善に成功した。これらにより,太陽電池セル面積を1cm2以上に拡大し,デバイスの作製方法を改良することで可能となった。
今後は,この成果をベースに,さらなる高性能キャリア輸送材料を開発すると共に,ペロブスカイト太陽電池の界面を制御することによって,より高い変換効率を目指すとしている。