径偏光レーザービームの偏光分布を高速で完全定量的に評価する手法を開発北海道大学 研究グループ
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北海道大学の研究グループは,径偏光レーザービームと呼ばれる偏光分布が放射状に分布する新奇レーザービームの完全定量評価手法を開発したと発表した。同研究グループが独自に提案した拡張ストークスパラメータと拡張偏光度の概念を用いることにより,従来の研究では行われてこなかった完全定量評価を実現している。測定系には偏光解析装置(エリプソメータ)でよく使われる回転位相子法を採用することにより,径偏光レーザービームの偏光分布を全自動で取得している。さらに,専用ソフトウエアを開発したことにより,径偏光レーザービームの偏光分布測定から完全な定量評価計算までが短時間(全体で約1分)で行える。また,これにより径偏光レーザービームではない不要なレーザービームの混入を,数%程度の精度で検出することができる。
今回,径偏光レーザービームやその生成装置の「質」を数値で直接表すことができることを,実証実験を通じて示したことにより,レーザーによる物質加工の精緻化・高度化や,高速・大容量光多重通信の実現などへの貢献ができると期待される。