被災環境下での捜索・状況確認活動を支援する画像認識システムを開発信州大学,東北大学,科学技術振興機構 研究グループ

 内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)タフ・ロボティクス・チャレンジの一環として,信州大学,東北大学,科学技術振興機構の研究グループは,被災地での捜索活動などに用いる遠隔操作ロボットで撮影した画像から,周囲に存在するものの種別や探索対象の発見を支援するための画像認識システムの開発に成功したと発表した。
 近年,人工知能技術の発達により画像認識分野では相当な進歩が見られる一方で,映像から意味のある情報を得るための機能(画像認識器)を構築する作業に手間と時間がかかり,被災現場のような乱雑な環境への素早い適用が困難だった。  同グループは,映像から認識能力を得る処理(学習処理)を効率化し,少ない事前情報から画像認識器を作り出す技術を開発することにより,倒壊家屋などの被災現場を撮影した映像を解析し,その結果を操作者に提示することで,捜索活動を支援する。
 さらに,瓦礫を構成している材質を推定する技術や,それらの表面状態(濡れているのか,土で汚れているのかなど)を数値化する技術も開発,崩れやすい場所や滑りやすい場所を発見しやすくなり,ロボットによる捜索活動における災害現場での崩落などの二次被害を防ぐことに役立つと考えられている。本システムは,ヘビ型ロボット,サイバー救助犬,ヒューマノイドロボットなど,災害環境で作業を行うさまざまなタイプのロボットへ搭載可能だとしており,初めての被災現場でもすぐに効果を発揮でき,映像解析や重要情報の発見といった作業への利用が期待できるとしている。

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