タンパク質中の原子の動き,動画撮影に成功京都大学,理化学研究所,高輝度光科学研究センター,東京大学,神戸大学,大阪大学,ヨーテボリ大学 研究グループ
タンパク質は生命において重要な役割を果たしており,機能する瞬間にその形を変えることが知られているが,従来のX線結晶構造解析法では止まっている状態しか観測できず,動いている状態の観測は困難だったところ,今回,XFEL施設を用いて動いているタンパク質の形を調べることができる実験装置を開発した。また,実際にSACLAの実験で光を受けて水素イオンを輸送する膜タンパク質を使い,膜タンパク質が働く瞬間の動画撮影に成功した。
今回の成果により,タンパク質が「動いている」状態を原子レベルで解明することができるようになった。将来的には医薬品や機能性分子の設計開発など,医療や工業への幅広い応用も期待される。