OplusE 2018年2月号(第459号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
光無線給電の最新動向
- ■特集にあたって
- O plus E編集部
- ■光無線給電への期待-光技術の応用範囲を拡げられるか-
- 東京工業大学 宮本 智之
- ■光無線給電の受光器技術
- 東京工業大学 宮島 晋介
- ■光学特性を利用した画像処理による無線給電目標の方向検出技術
- 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 牧 謙一郎
- ■無線基地局向け光ファイバー給電における信号と電力の同時伝送
- 電気通信大学 松浦 基晴
- ■小型機器用MHz帯ワイヤレス給電技術
- 村田製作所 細谷 達也
- ■EV用磁界結合式ワイヤレス電力伝送技術の動向
- 早稲田大学 髙橋 俊輔
特別企画
- ■国際画像機器展2017 特別招待講演
- 先進モビリティ 青木 啓二/大阪大学 槇原 靖
連載
- ■【一枚の写真】光ディスクを用いた水中微生物の高速イメージング検出
- 産業技術総合研究所 島 隆之,藤巻 真
- ■【私の発言】サイエンスをテクノロジーに変えるにはありとあらゆる工夫をして目的を達成すること
- シチズン時計株式会社 橋本 信幸
- ■【輿水先生の画像の話-魅力も宿題も-(新連載)】第1回 画像研究の事始め-画像技術研究,その大衆性と学術性のポテンシャル-BEGINNING the Researches on IMAGE SCIENCE & TECHNOLOGY- Its Potential both in Popularity and Academic Aspects –
- 中京大学 輿水 大和
- ■【波動光学の風景】第128回 130. 光ビームの伝搬方向
- 東芝リサーチ・コンサルティング 本宮 佳典
- ■【干渉計を辿る】第6章 波面収差測定用干渉計 6.1 光源と干渉縞
- 市原 裕
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第60章 ぞうをとる:撮像(その3)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■【光学ゼミナール(新連載)】第1回 電磁波
- 黒田和男
- ■研究室探訪 vol. 1(新連載)
- 東京大学 廣瀬・谷川・鳴海研究室
- ■【ホビーハウス】ステレオ写真の本(107)歴史の本とステレオスコープ(立体鏡)
- 鏡 惟史
- ■【コンピュータイメージフロンティア】『パディントン2』『ダークタワー』『ジオストーム』『グレイテスト・ショーマン』ほか
- Dr.SPIDER
- ■【ホログラフィーアートは世界をめぐる(新連載)】第1回 冬の旅
- 石井 勢津子
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
表紙写真説明
写真は光無線給電のデモンストレーションである。光源の面発光レーザー(VCSEL)はヒートシンクにマウントし,そのヒートシンクに設置したファンが手前に見えている(VCSEL自体は,写真では直接は見えていない)。VCSELの出射光はレンズを用いてビーム広がりを調整し,2. 5 mの奥にある10 cm角の太陽電池に照射する。写真の左右の違いは,光源の動作前後の違いである。太陽電池に40個ほどの様々な色のLEDとUSBファンを接続し,光源から光出射することで,内挿写真のようにLEDの発光とひもを取り付けたUSBファンの動作が確認できる。2. 5 mの遠隔への無線給電を,光源側と太陽電池側とも10 cm角ほどの「小型」サイズで実現できるのは光方式の特徴である。(関連記事「光無線給電への期待-光技術の応用範囲を拡げられるか-」東京工業大学 宮本 智之:詳細は136ページ)
特集にあたってO plus E編集部
光無線給電の最新動向
無線の流れが我々の生活の中に広く浸透している。元を正せば,遠く離れた地点に情報を伝えるために生み出されたものであるが,通信の速度が次第に高速となり,携帯の世界においては毎秒数10ギガの速度で提供する第5世代が,2020年東京オリンピックまでに実用化されるらしい。通信の種類も,高精細な4K映像を無線で受信するTV受像機も登場し,家の中の壁際をはっていた同軸ケーブルが消えようとしている。また,インターネットに接続するためのLANケーブルが,無線ルータと無線通信チップを実装したPCの普及によって,家庭になくなって久しいユーザーも多いのではないだろうか。その他,リモコン操作でTVのON/OFFや,エアコンのON/OFF・温度調整,電灯の電源のON/OFFなど,通信を使って操作するものは,ことごとく無線により配線が消えていっている。一方,電源に関してはなかなかなくならない。電池駆動が可能な機器であれば一定時間は動かすことができるが,絶えず電源の残量を気にしなければならない。また,充電にはある程度の時間が必要であるし,電池自体の蓄電性能の劣化も起きるので,劣化とともに使い勝手の印象も大きく低下していく。スマートフォンを使っている皆さんであれば,その感覚はごく自然に思われるであろう。したがって,電源の配線をなくすことは意外と容易ではなく,実現できれば社会生活の中でのインパクトも大きいと予想される。例えば,無線を使って必要なときに機器に電力を送り込むことができれば,充電のタイミングを見計らうこともなく,電池の劣化を気にすることもなくなる。それは,狭い家庭の部屋の中の機器の範疇を越えて,屋外で動き回る車両や飛行体のようなものであれば,活動範囲が飛躍的に拡大できるので,その効果は図りしれないであろう。
すでに,高周波による無線給電技術は,少しずつ社会で利用できるようになり始めている。携帯やスマートフォンの充電機器は実用化され始めているし,電気自動車の充電用ステーションへの導入も検討されて久しい。しかしながら,大きな電力を扱う状況では,高周波技術には制約が出てくる。電磁雑音や,人体への影響を避ける必要が必須となる。そこで,光技術に着目されるゆえんである。
以上のような世の中の要請に応えるべく,最近取り組みが始まっている光無線給電について,その狙いや実現に対する期待,いくつかの取り組み状況を取り上げることとした。
まず,光無線給電技術の既存無線給電技術に対して期待されるメリットやその適用領域,逆に弱みについて語っていただいた上で,光源技術や光無線給電研究の取り組み状況を,東京工業大学 宮本 智之さまに「光無線給電への期待-光技術の応用範囲を拡げられるか-」と題して,ご執筆いただいた。光源技術に対応して受光器技術について,東京工業大学 宮島晋介さまに「光無線給電の受光器技術」と題して,そのポイントを取り上げていただいた。また,応用に関わる技術として,光無線給電を実現する際に目標物の検知がシステム上重要である。その取り組み内容について,JAXA 牧 謙一郎さまに「光学特性を利用した画像処理による無線給電目標の方向検出技術」としてまとめていただいた。さらに,無線ではないが,光技術を使った給電技術の対比として,光ファイバーを通した給電技術について,電気通信大学 松浦 基晴さまに研究開発内容を「無線基地局向け光ファイバー給電における信号と電力の同時伝送」としてご紹介いただくこととした。一方,前述の通り,無線給電技術はRFを使った技術が開発的には先行している。
世の中の機器から電源コードをなくす取り組みについても,光無線給電技術と良い比較になると考え,村田製作所 細谷 達也さまに小型機器向けの開発方式について「小型機器用MHz帯ワイヤレス給電技術」と題して,および早稲田大学 髙橋 俊輔さまに電気自動車用結合式電力伝送方式の内容について「EV用磁界結合式ワイヤレス電力伝送技術の動向」と題してご執筆いただいた。
給電の無線化によって,今後我々の日常生活における身の回りの見え方も大きく変わっていく変革期を迎えている。その動きに触れる良い機会となれば幸いである。
広告索引
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