高性能ペロブスカイト量子ドットLEDを開発山形大学,科学技術振興機構(JST) 研究グループ
山形大学では次世代型発光デバイスの開発に向け,ペロブスカイト量子ドットに電荷を注入して発光させる,「ペロブスカイト量子ドットLED」の研究を進めている。しかし,赤色発光を示すペロブスカイト量子ドット組成(CsPbI3)は結晶構造の安定性に課題があり,これまで高性能なLEDへの適用が困難だった。今回開発した製法は,ハロゲンアニオン交換という方法で,結晶構造が安定なCsPbBr3というペロブスカイト材料の一部を液中で置換することにより,発光波長や発光効率が異なる,CsPb(Br/I)3を合成する方法である。本製法により,発光色を緑色から深赤色へ大きくシフトさせると同時に,この材料を用いた赤色ペロブスカイト量子ドットLEDで,21.3%と非常に高い外部量子効率を得ることに成功した。
また,色度座標では(0.72,0.28)という非常に色純度の高い赤色発光を得ることができた。これは高い色再現を目指した,超高精細度テレビジョン(UHDTV)の国際規格(BT.2020)の範囲をカバーするものである。
今後,本材料系のさらなる高性能化により,ディスプレイや照明への応用が期待される。
高性能ペロブスカイト量子ドットLEDを開発
~外部量子効率20%を超える高効率と高色純度の赤色発光を実現~
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20181002-2/index.html