高感度磁気センサーを活用した画像診断技術の開発横浜国立大学,TDK
臨床現場で広く実用されている磁気共鳴画像診断(MRI)やX線コンピューター断層撮影(X線CT)は,画像の濃淡で組織や腫瘍等を判別する。それに対して,磁気粒子イメージングは,陽電子放出断層撮影(PET)などと同様にトレーサーのみを検出,画像化することが特徴である。磁気粒子イメージングは腫瘍や血管に集積させた磁気粒子が発する磁化信号を体外から検出することを原理とする。そのために微量の磁気粒子を高感度で検出することが重要である。検出コイルに電磁誘導される起電力を測定する手法が主流であるが,今回,横浜国立大学は,高感度磁気センサーを活用した。TDKが開発したこの高感度磁気センサーは,常温で微弱な磁界を検出する。すでに心磁界検出などの実績があり,今回の開発では体外から印加する交流磁界の強度を従来の1/10以下に低減した。
高感度磁気センサーを活用することにより,人体の頭部や全身まで診断範囲を広げた磁気粒子の検出が可能になると期待される。