天然物由来カーボン量子ドットの光デバイス化に成功横浜市立大学,オーストラリア連邦科学産業研究機構,横浜国立大学
天然物由来のC-QDsは,炭素源として植物の種(フェネグリーク種子)から,同グループが先行研究で開発した熱分解法によって得た。ELデバイスは,CSIROの先行研究で開発されたデバイス作製技術によって透明電極(ITO),キャリア輸送層(PVKおよびBP4mPy),発光層(天然物由来のC-QDsをエタノールに分散してスピンコートすることによって作製)から成る積層構造として構築された。試作デバイスから,ブルー・グリーンの発光状態(スペクトル波長507 nm,CIE表色系 色度(0.241,0.285))が肉眼でも十分に観察できた。また,固体状態で観測されたELは,本研究で作製されたC-QDsの天然物由来のアミノ基などの表面官能基や塩化カリウムなどのミネラルに起因して発生していることを明らかにした。今後,デバイス構成(構成要素,構造等)の最適化を行い,性能向上と実用化検討を目指すとしている。