「レーザアイウェア」の開発に成功QDレーザ,東京大学ナノ電子情報エレクトロニクス研究機構は
レーザー網膜走査型は90年代初頭に提案され,液晶等を利用する通常のヘッドマウント・ディスプレイと比較して,高輝度・高色再現性・広視野角で,画像を自在なサイズで,自在な位置に提供することができ,さらに,近眼,老眼など装着者の視力を選ばないフォーカスフリーという特長があるにもかかわらず,未だ実用レベルの製品がなかった。
今回の開発では,ナノテクを駆使して独自開発したレーザー網膜走査光学系を技術基盤としており,三原色半導体レーザーのレーザー光をMEMSミラーで反射,走査して,瞳孔を通して網膜上に映像を描画する。外観的には,通常の眼鏡と変わりない装着感で完全なシースルー画像が得られるという特徴を実現,その原理から,他の方式に比べ,サイズ,省電力,コスト面での優位性が高くなっている。
今後,レーザー網膜走査光学系の一層の小型化・低消費電力化を進め,2015年末に作業支援用(有線)アイウェア,2017年末に民生対応(無線)アイウェアという2段階の製品化と市場展開を目指す。