単一生細胞の空間分解吸収スペクトルを一瞬で取得東京理科大学
昨年度のノーベル化学賞の対象となった超解像蛍光顕微鏡は,細胞イメージング技術が評価されたものであるが,細胞内の特定の組織や器官を観測したい場合,観測したいものだけを光らせる特別な蛍光標識を導入しなければならない侵襲性が生理機能に影響を与えかねないこと,観測領域全体のレーザー走査や多数の画像の取得が必要なために測定時間がかかるといった欠点があった。
今回,研究グループは,光源にレーザーでなく白色光ランプを用いることにより,取得時間0.05秒の無走査吸収分光イメージング法を開発した。今後,人類共通の課題である食の生産性を高める微細藻類の大量培養や細胞の癌化メカニズムの解明に貢献すると期待される。