結晶が光照射によって移動する現象を発見産業技術総合研究所
今回発見した現象は,市販のガラス板に載せたアゾベンゼンの結晶に,結晶が液化する波長の光(紫外光)と,結晶化する波長の光(可視光)を異なる方向から同時に照射すると結晶が移動するという現象である。紫外光の光源から遠ざかる方向に移動するため,結晶の移動方向を制御できる。また,この現象は,ガラス板の特殊な表面処理や,レーザーなどの特殊な光源を必要としない。今回の結晶固体が光で固体基板上を変形しながら移動する現象はこれまでに報告がない。今後,微小な領域での物質や物体の運搬やバルブなどへの応用が期待される。