第15回産学官連携功労者表彰~つなげるイノベーション大賞~環境大臣賞 受賞者の決定環境省
産学官連携功労者表彰は,企業,大学,公的研究機関等における産学官連携活動において大きな成果を収め,また,先導的な取り組みを行う等,当該活動の推進に多 大な貢献をした成功事例に対して,その功績を称えることで我が国の産学官連携の更なる進展に寄与することを目的としているものである。
環境省では,地球環境保全,公害の防止,自然環境の保護およびその他の環境の保全の視点から特に顕著な功績または功労があったと認められる者に,環境大臣賞を授与している。
受賞者は以下のとおりである(敬称略)。
・国立大学法人広島大学 大学院先端物質科学研究科
教授 黒田 章夫
・有限会社シリコンバイオ 開発部部長(取締役)
関口 潔
・株式会社オプトサイエンス 営業部
高橋 達也
受賞事例は,「アスベスト迅速検出装置」の開発に係る産学官連携である。
日本には,アスベストを含む建材が約4 ,000万トン存在しており,今後アスベストが使われた古い建物の解体のピークを迎えるので,飛散アスベストの対策が急がれていたところ,広島大学のアスベスト蛍光試薬の特許を,広島大学発ベンチャーであるシリコンバイオ社が実施し,オプトサイエンス社が顕微鏡技術・光学技術を提供し,またインテック社が画像解析技術で協力した。開発には,環境省環境研究総合推進費を活用した。このように,アスベストの社会問題の解決を目指して,広島大学(学)とベンチャー,民間2社(産),環境省(官)が協力して開発した。
これにより,バイオ技術を駆使してアスベストを蛍光で検出することに成功した(蛍光法)。これは,従来の電子顕微鏡を用いる方法(数日から1週間)に比べ,格段に時間を短縮することができた(1時間)。
表彰式は,平成29年9月1日(金)に東京ビッグサイト(東京国際展示場)レセプションホールAで開催された。