高効率な超薄型有機太陽電池の寿命が従来の15倍に理化学研究所 研究グループ
今回,同グループは,発電層を改良するために高エネルギー交換効率と熱安定性を併せもつバルクヘテロ接合構造の素子を新たに作製した。さらに,発電層と正孔輸送層の界面における電荷輸送効率向上のため,この素子に対してポストアニール処理(150 ℃)を施した。その結果,13 %の高いエネルギー変換効率と,大気中保管3 ,000時間で劣化5 %以下という長期保管安定性を両立する,超薄型有機太陽電池(厚さ3 μm)を実現した。これは過去の最高値と比較して,エネルギー変換効率は約1 .2倍向上し,長期保管安定性は15倍改善したことになる。
今後,ウェアラブルエレクトロニクスやソフトロボット用のセンサーやアクチュエーターなどに安定的に電力を供給できる,軽量で柔軟な電源として応用されると期待される。