「第38回櫻井健二郎氏記念賞」受賞者決定光産業技術振興協会
安達氏は,大型テレビなどに用いられてる有機発光ダイオード(OLED)の研究開発に黎明期から携わり,電子輸送層を有するダブルヘテロ構造いち早く提案するともに,発光層に従来の蛍材材料に替えて燐光材料を用いれば内部量子効率がほぼ100%となることを実証した。また,分子設計の自由度が大きく,レアメタル・フリーな熱活性化遅延蛍光材料を創製し,ほぼ100%の内部量子効率のOLEDを実現した。さらに,色純度を上げて色域を広げたOLEDの開発や有機半導体レーザへの挑戦にも意欲的に取り組んできている。
このように,安達氏は有機分子の発光についての深い知見と洞察に基づき,高効率な有機発光材料を創製することにより,OLEDの学術的基盤の構築に貢献するとともに,その実用化に向けた研究開発を主導し,わが国の光産業とりわけディスプレイ分野の発展に貢献していることが評価された。
O plus E 2022年11・12月号「私の発言」
「できない技術はない。必ずできるという強い信念をもって取り組む姿勢が大事」
安達 千波矢