可視光から近赤外まで発光が様々に変色するマイクロビーズ物質・材料研究機構（NIMS）
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物質・材料研究機構（NIMS）のチームは、クエン酸などを主原料とした環境に優しいマイクロビーズ型の発光材料の開発に成功した。このマイクロビーズは照らす光やビーズのサイズにより様々な色の光を放射し、幅広い用途が考えられる。また主原料が植物由来で、低コスト・省エネルギーで合成できる。従来の発光素子は金属を含む化合物半導体やナノ粒子、希土類元素を含むセラミック焼結体による無機材料を用いたが、環境負荷の点でこれら不使用の発光材料が望まれる。
今回、食品添加物のクエン酸やポリアミノ酸を主原料に、加熱によりマイクロビーズ型の発光材料を合成した。このビーズは熱変性により凝集させたポリアミノ酸に含まれる、煤やグラファイトに似たナノ構造からの発光を用い、可視光と近赤外領域で発光する。マイクロビーズの光の閉じ込め効果を利用することで1つのビーズから異なる波長の光を発することが明らかとなった。
このマイクロビーズは形状やサイズにより発光の波長やスペクトルが大きく異なり、認証タグやバーコードになぞらえた利用が可能となる。例えば色が変わる塗料や偽造防止用インク、生体内で一つひとつのビーズを同定し個別に追跡できる蛍光プローブなどが期待できる。
