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新しいことをやりたいと思ったら,周囲が良いと言っている現実を否定しなさいハイウィッツ・テクノロジー 米澤 成二

光ディスクの将来

新しいことをやりたいと思ったら,周囲が良いと言っている現実を否定しなさい 光ディスクの将来技術を見るとき,磁気ディスクと光ディスクの高密度化に対する技術革新の速度を比較する必要があります。磁気記録ではヘッドギャップ距離が年々小さくなって,記録密度も向上しています。
 一方光記録はご存知のとおり光スポットの大きさ,すなわちレンズ開口数(NA)とレーザー波長(λ)の比λ/NAで決まってしまいます。開口数(0.4~1.0)もレーザー波長(0.4~0.8ミクロン)も小スポット化に余裕がありません。この限界を打破する技術を開発しようと,1988年に光磁気に有効な方式で,0.1ミクロンの磁区が記録できる能力のある「レーザパルス照射磁界変調記録」という方式を大変なエネルギーを費やして考案しました。1996年4月には実際に0.1μmの記録観測がスピンSEMで確認されました。磁区長さが0.1μm記録という,今まで光ディスク記録でできないと考えられていたことが,光磁気で実現できるようになったのです。しかしこの技術も,社内ではやっぱりというか,反応は冷ややかでした。しかし社外では,この技術はシャープ,ソニーなどが大いに評価するところとなって,次世代のミニディスク(MD)に使うことになっています。ASMOという6Gbyte容量の規格にも採用されています。
 今後VTRテープは,光ディスクに置き換わるようになると考えています。何しろ光ディスクは巻き戻しなどが要らないし,操作性では一番です。そのためには容量はCDサイズで15~20Gbyteの4時間映像記録の技術が必要になってきます。先ほどの「レーザパルス照射磁界変調記録」手法では30Gbyteがすでに技術的に可能になっており,残る技術課題は再生技術の開発にあります。私は今,新しい挑戦としてこの再生技術に挑戦します。
 世の中のニーズを見ると,パソコンだけではなく,衛星,ネットワーク,映画といろんな画像メディアが必要になってきています。そうなってきますと,何10Gbyteあっても足らなくなってくることは間違いありません。
 今は皆さんDVDでわーっと動いていますけど,家電メーカーも含めて,景気が悪くなったというのか,余裕がなくなっているというのか,目先にだけしか目が向いていないのです。しかも各メーカーには技術の差があまりありませんので,同じことをごちょごちょお手てつないでやっているわけです。

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