新しいことをやりたいと思ったら,周囲が良いと言っている現実を否定しなさいハイウィッツ・テクノロジー 米澤 成二
海外の研究支援会社コメッツ
これは昨年7月に設立した海外の研究所の研究者を支援するボランティア会社です。欧米以外の国を対象にして,今はメキシコです。メキシコにはINAOEという国立天文学・光学・電子工学研究所があって,そこのコルネホ教授は私がロチェスター大学にいたときに修士の学生でした。その後,東工大の辻内順平先生のところに留学してそこで博士号を取得し,その後帰国して昨年までメキシコで物理学会の会長をやったりしていました。昨年,そのコルネホ教授から,メキシコの若い光学研究者をいろんな形で支援して貰えないかという打診があって,コメッツという会社を設立しました。この会社の目的は,1つは今いった研修生の受け入れで,発展途上国の研修生を受け入れてくれる会社を探すこと,もう1つは日本で不要になった機器を向こうに寄付するという仕事で,もうすでに成果が出始めています。
コルネホ教授は,日本はいろんな意味で恵まれているが,メキシコは教育一つをとっても何10年というレンジで考えなくてはいけない,だから100年の計で人の育成を考えなければいけないのだというのです。人を育てるということが基本です。物を与えただけでは,壊れた,それで終わりです。それでは困るのです。人を育てておけば,道は開けます。何かをしてやりたいという,そういう恩着せがましい話ではないのです。
海外との連絡は全部辻内先生にお願いしており,私は国内企業での折衝を担当しています。先生とはバリアーなしでお話できますから,これからが楽しみです。コメッツのホームページはhttp://club.infopepper.or.jp/~cometsです。
OplusEの1997年の7月号にコルネホ教授が「メキシコの光学」というタイトルで執筆していますので御参考ください。 (文責 M.M.)