自分が開発したファイバーを標準にできたのは一番うれしかった大阪府立大学 大橋 正治
今までと違った観点で見直すことで新しい発想が出てくる
聞き手:最後に光学分野の若手技術者や学生などに向けて光学分野の面白さやメッセージをお願いします。大橋:光ファイバーを自分の手で扱っていて感じるのは,今は光の実験をしようと思ったら,装置を買ってきて,何かプラモデルのように全部つなげれば実験ができます。それから抜け出してやる研究としては,フューモードやマルチコアのファイバーの研究があります。ですからこういう時期にこそ,空間伝搬した光をコアの中に正しく入れるといった,基本的なことをするのがいいと思っています。
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実際に自分でその装置を作ったり治具を作ったりして,新しいことを研究することで,今までとちょっと違った観点で見直すこともでき,新しい発想が出てくるという気がしています。
ゼミでも学生にいろいろ聞きますが,結局,既存の概念ですべてを考えているので,新しい発想が出てこない。もっと違った感覚,違った角度で見てみるように研究や実験に取り組んでほしいということを絶えず言っていますけど,なかなか難しいです。
あと基本を身に付けてほしいというのはあります。今はアプリケーションのほうに行こうとしますが,そのためには,基礎が十分できている必要がありますから。
![大橋 正治(おおはし・まさはる)](https://www.adcom-media.co.jp/wp-content/uploads/2014/06/remark60_1.jpg)
大橋 正治(おおはし・まさはる)
1953年 岡山県生まれ 1972年 岡山県立玉島高校卒業1977年 名古屋工業大学工学部 電気工学科卒業
1979年 東北大学 大学院工学研究科 電気及び通信工学専攻修了
1979年 日本電信電話公社(現NTT入社)
2002年 大阪府立大学大学院工学研究科教授
●研究分野
光伝送媒体に関する研究 次世代光ネットワークに関する研究 光ファイバセンシング技術の研究
●主な活動・受賞歴等
1997年~2008年 ITU-TSG15課題18のラポータ(3会期)
2004年,2008年 Certificate of Appreciation, ITU-T
2011年 日本ITU協会賞功績賞
2013年~ IEC TC86 国内委員会 委員長