光学は研究の余地があってすごく面白い

聞き手：これから光学分野において活躍を目指す若手研究者，技術者，学生に向けて，西郡さんが考える光の面白や魅力などのメッセージをお願いします。

西郡：光学業界は，今厳しい状況にあるのかもしれません。しかし，光学は人の目の機能拡張をするものであり，人は，多くの情報を目から得ると言います。また情報通信量も速度も今後もさらに飛躍的に伸びていくことが期待されています。光が適用される分野はまだまだ多く，培った技術の他の新しい適用例への応用だけでなく，新しい研究分野や適用分野もたくさんあるとわくわくしています。そのためには社内だけでなく，日本だけでなく，いつも同じ研究チームでなく，業界が違ってもいい，たくさんの人と会う，意見を交わすということがキーになってくるのでは？と考えています。
　国内外の学会で，より積極的に意見を交わすとか，MOOC（Massive Open Online Course）を活用してオンラインで多くの方と共に学び，交流してみる，楽しそう！　面白そう！　を広げてみる。アイデアをぶつけてみる，チャレンジしてみるのが面白い結果につながりそうです。
　まったく関係のないことですが，高校の時，ふと，夕日が当たる校舎でゲーテの詩集と生涯について書かれた本を友人と輪読した風景と，その時，「なんで詩人なのにスペクトルについて詳細に論じているんだろうね」と話した情景を思い出しました。光は，誰をも惹きつけますね。