セミナーレポート

多数の薄い断層面から異なる断面や身体の3次元画像を作成。画像診断におけるセンシングと画像処理技術国際医療福祉大学 縄野 繁

本記事は、画像センシング展2013にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。

身体の立体構造の直感的把握のために3次元画像も作成

 X線CTは現在の画像診断の主力機器です。CTのX線管は照射しながら高速で回転し,体を乗せた寝台を移動させながら連続で撮影します。人体をらせんで切り取るようにデータを得るのでヘリカルCTと呼ばれ,数秒から十数秒で胸部から骨盤まで撮影できます。ヘリカルCTの検出器は多列化されていて一度に多くの断面が得られます。画像再構成では,ヘリカルCTで得られるボリュームRawデータからスライス厚 5-7mmの横断像を作成しますが,同時に0.5~2mmの薄いスライスも作成することができます。画像は軟部組織用と肺野用(肺組織)があり,軟部組織用は線のシャープさを少し犠牲にしてノイズを押さえる処理を行います。肺野用は線のシャープさを優先した処理で,肺野以外ではノイズが多く,読影に向きません。また頭部,頸部,胸部,腹部から骨盤などの部位に合わせた自動濃度調整が行われて出力されますが,技師が画像を見て微調節し,サーバーに保管されます。さらに,多数の連続する薄い2次元画像を再構成させることで,3次元画像を表示します。特定の臓器や血管をしきい値で切り出し,余分に描き出された血管や臓器を消しゴム機能で除去します。視点の方向を変えることで,判断しやすい画像や分かりやすい画像を作成します。
 MRIは強く均一な磁場の中に体を挿入して,送信コイルから共鳴周波数の電波を照射,体の近くに置かれた受信コイル(センサー)で受信し,画像化します。T1緩和時間,T2緩和時間,拡散,流速,磁化率などのパラメーターを強調した画像を目的によって選んで,撮影します。MRIはCTと異なって,目的とする効果が得られるような画像を撮影するので,後処理は少なくてすみます。血管が強調される撮影方法で,CTと同様に薄い2次元画像を多数撮影して,MIP法で再構成することで,MR血管撮影を可能にしています。
 核医学検査(ラジオアイソトープ)は,放射性同位元素で標識した放射線薬剤を人体に投与し,体外に放出されるガンマ線を検出して,画像化します。検出器はシンチレーター+光電子倍増管で構成され,通常は2次元画像表示ですが,対向型や3面型の検出器を回転させ,3次元データを得るSPECTも使用され,最近ではCTと組み合わせたSPECT/CTが開発されています。
 PETはトレーサーを陽電子放出核種で標識して人体に投与し,放出されるガンマ線(511keV)を体外から検出します。検出器の受光素子としてBGOやGSO,LSOが用いられ,光電子倍増管を使用し,非常に弱い発光を電気信号に増幅します。PETの画像は解像度が低く,解剖学的情報が得られにくいという問題があります。そこで,CTと組み合わせたPET/CTにより,病変の局在を正確につかむことができるようになりました。

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国際医療福祉大学 縄野 繁

1981年千葉大学医学部卒業。同年千葉大学医学部放射線科入局。1986年国立がんセンター放射線診断部・医員。1992年国立がんセンター東病院・放射線部医長。2002年同部長。2007年より国際医療福祉大学三田病院 放射線診断センター・教授。専門はCT、MRIの診断。消化管X線診断。マンモグラフィ診断。CAD(コンピュータ支援診断)の研究。

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