セミナーレポート

Kinect for Windows update 2014 テクノロジーの進化日本マイクロソフト(株) 千葉 慎二

本記事は、画像センシング展2014にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。

従来のUIの概念を根本的に変えるKinect

 Kinectは,カラーセンサー,赤外線のプロジェクター,赤外線を捉えるためのカメラ,マイクなど,センサーの固まりです。それぞれのセンサーから得た情報をXboxやWindowsに送ることで,情報を処理することができます。CPUを持つコンピューターが人の頭脳に相当するとしたら,Kinectは人の目と耳に相当します。Kinectでは,映像の取得や,立体空間の認識,骨格追跡,音声方向,音声認識,手,顔,表情の認識ができます。
 ハードウエアのスペックは, 現行機のサイズがW275/215×H80×D60mmだったのに対し,新型機はW245×H65×D60/68mmとなっています。カラーの映像は640×480ピクセルから,1920×1080ピクセルに。深度は320×240ピクセルから,512×424ピクセルに。最小認識オブジェクトサイズは現行機の約2~3倍の精度になっています。水平視野は57度から70度,垂直視野は43度から60度と,より広い範囲が見られるようになりました。センシング距離は0.8~4mから0.5~4.5mとなり,センサーを53~の高さに置き,180~の人の全身を映す場合,2.2mの距離が必要だったものが1.5mまで近づくことができるようになりました。これによって狭い範囲で動いても全身をトラッキングできるようになりました。
 ソフトウェアでは,現行機では視野内に入っている6人分を追跡し,そのうち2人のみ全身のトラッキングができていたものが,新型機では6人中6人とも全身の骨格追跡ができるようになっています。そして関節の数は20カ所から25カ所になりました。手が開いている,閉じているという状態を認識することもできます。顔の情報は,その人がどういう表情であるか,動作,集中度,容姿など,細かい表現まで捉えることができるようになっています。

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日本マイクロソフト(株) 千葉 慎二

1972年生まれ。岡山県出身。マイクロソフトで組み込みWindows OSの開発に従事した後,Xboxの立ち上げメンバーとなる。専門はCPUとオーディオ。初代XboxとXbox 360のアプリケーション開発および技術サポートを経て,現在はKinectなどマイクロソフトの最新テクノロジー製品を啓蒙するエバンジェリスト兼ソフトウェアデベロップメントエンジニアとして活躍中。

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