セミナーレポート
注射の悩み,解決します:近赤外蛍光インプラントの開発とその可能性高知大学 佐藤 隆幸
本記事は、国際画像機器展2012にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。
近赤外光で血管を可視化,近赤外色素混練のインプラントを開発
その上で,近赤外光を用いた穿刺血管の可視化について紹介します。一般的なカメラの映像では左前腕伸側の表在性静脈はよく分かりません。それに対して,近赤外光を用いた開発品では静脈を可視化することができます。治療で特に重要なのは動脈ですが,左手首屈側の動脈は一般的なカメラの映像ではよく見えません。それに対して,開発品による映像では手首のところにある尺骨動脈と橈骨(とうこつ)動脈という2本の動脈が見えます(図1)。![図1 左手首屈側の動脈](https://www.adcom-media.co.jp/wp-content/uploads/2013/02/11182-2.jpg)
図1 左手首屈側の動脈
![図2 手首皮膚表面に置かれた近赤外蛍光カテーテル](https://www.adcom-media.co.jp/wp-content/uploads/2013/02/11182-3.jpg)
図2 手首皮膚表面に置かれた近赤外蛍光カテーテル
このように,近赤外蛍光インプラントを使うことで,皮下の血管と皮下を進む針の両方を可視化して,安全で安心な血管穿刺を実現し,医療従事者の悩みであった血管穿刺の失敗をなくすことができると考えています。
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高知大学 佐藤 隆幸
1985年 高知医科大学医学部 卒業東京女子医科大学循環器内科、国立循環器病センター研究所を経て
2000年 高知大学医学部 循環制御学 教授
専門:医工学、循環器学