セミナーレポート

クラスター対策に貢献するAI技術とコロナに強い社会を作るための画像業界への期待(株)アドダイス CEO 伊東 大輔

本記事は、国際画像機器展2021にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。

画像機器業界のクラスター対策に果たす役割

 アドダイスでは,産業向けに,産業AI「HORUS AI」を提供しています。これは,膨大な画像データを瞬時に解析し,深層学習によって驚異的なスピードで学習し,成長する「画像解析AI」です。「HORUS AI」は,自分で教え,自分で評価し,自分で調整できるAIです。調整はツマミを動かすだけなので,現場にいる従業員が自分たちで加減を変えることができます。1枚でも分類可能で,数枚でも95%以上の精度をもっています。
 工場内物流での画像解析AIでは,箱外観のチェックや伝票の読み取り,数え上げなどで活用できます。画像以外のセンサーを使っていても,すでに可視化のプロセスがあればAI化が可能です。また,従来は外観検査装置に後づけでAIを導入することが多かったと思いますが,人の張りつき工程であればAI化ができます。装置についてはベンダーフリーでAI化でき,申し込み当日からすぐに使うことができます。クラウド型のAIシステムを使うことで,AIを教えていくプロセスもAIの専門家を確保して任せるなどの属人化をなくすことができ,識別眼のある現場のプロ自身で学習から評価,運用まで進めることができます。さらに,AI源流管理では,自律型AIによって,現場改善サイクルの全数化やリアルタイム化,分類精緻化が可能になります。
 私たちはAIサプライチェーンを提唱していますが,会社を跨いだ検査には大きな課題があります。例えば,製品を検査してお客様に納入後,傷がついていると言われたときに,その傷がどこでついたのか調べられないということがあります。多くの業者が会社を跨がって1つの産業クラスターを形成していますが,会社を横断してAIによって統一した検査プロセスにすることで,全体の中での重複した検査をなくすことでき,改竄防止などにつながり,検査品質の信頼性も高まります。HORUS AIは,ハンズオンセミナーから画像準備収集,学習開始,AI学習,運用開始まで,確立された導入プロセスをもっています。
 アドダイスでは,健康と産業のトータルでのAI化を推進しています。新型コロナのオミクロン株の脅威も迫ってきています。従業員の不調にすぐに気づいて休ませてあげるのは,単に工場を守るだけでなく,従業員の健康をはじめ,社会全体の生産性向上や医療費の削減にもつながります。画像機器による産業界のDXにより,ウィズコロナ,アフターコロナに向けて社会変革を一緒に実現していきましょう。

(株)アドダイス CEO 伊東 大輔

広島県出身。東京大学法学部卒。広島大学デジタルものづくりセンター客員教授。医仁会武田病院臨床研究センター研究員。自らAIシステムを開発するエンジニア経営者。環境ビッグデータに対する専門家の判断措置をAI学習し環境制御の特許を取得。独自開発したAI技術SoLoMoNテクノロジーにより,業務革新をもたらすサービスを提供。

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