光で誘電率を大幅に自在制御できる液晶性強誘電体理化学研究所
強誘電性ネマチック液晶はごく近年報告が相次いだ新しい概念の液晶で,有機分子としては最大級の10,000を超える比誘電率が報告されている。しかし,この強誘電性の起源はまだ不明であり,ひいては応用の可能性も未知であった。 今回,同チームは,強誘電性ネマチック液晶の材料に,光応答性をもつ有機分子を少量添加するという極めて簡便な方法で,可視光に応答し比誘電率がおよそ100倍も変化する材料を開発した。さらに,この材料を用いてフォトコンデンサー素子を作製し,静電容量を大幅かつ可逆に制御できることを示した。
本研究成果は,強誘電体の比誘電率を大幅に,簡便かつ可逆に制御する原理を発案しただけでなく,強誘電性ネマチック液晶を用いた実用的なフォトコンデンサ素子への応用が期待される。