3Dプリンターで世界最高性能のスーパーキャパシタを実証カリフォルニア大学,東北大学
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風力や太陽光など出力変動の大きい再生可能エネルギー利用の増加に伴い,電力負荷平準化のための大規模エネルギー貯蔵デバイスに注目が集められている。エネルギーデバイスのエネルギー密度・出力密度の向上は,駆動時間の向上やハイパワー電源として利用するために重要である。現行のエネルギーデバイスでは厚み100 µm以下の薄いシート状の電極が用いられているが,その電極シートを厚くすることでエネルギー密度の向上が可能である。しかしながら,厚い電極内ではイオンが十分な速度で移動することができず,出力密度が大きく低下する課題がある。このように,エネルギー密度と出力密度にはトレードオフの関係があり,高いエネルギー密度と出力密度の両立が課題となっている。
カリフォルニア大学,東北大学の研究チームは,3Dプリンターを用いてイオンが高速で移動できる経路を人工的に設計した多重細孔炭素電極材料を作製した。これにより従来の蓄電デバイスの10倍以上の厚みを有する電極でも高速なイオン移動が可能となり,世界最大級のエネルギー密度と出力密度を有するスーパーキャパシタの作製に成功したと発表した。