稀少RIリングを用いた短寿命放射性同位体の質量決定に成功理化学研究所,筑波大学,埼玉大学,東京大学
本研究成果は,鉄よりも重い元素の起源の解明に向け,速い中性子捕獲過程RIリングとRIを1個ずつ識別しながらリングに入射する個別入射法を組み合わせ,リング内で粒子を約0.7 mm秒飛行させた後,粒子の種類による到着時間の差(ズレ)から質量を導出することで,最速で精密な質量決定を実現させた。この手法により,¹²³Pd核とその周辺の原子核の質量を,その寿命より短い時間で測定できることを実証した。その結果,太陽系で観測されている質量数122と123の元素比をよく説明できることが明らかになった。