放射光X線が地球核の化学組成を変える -新しい絶対圧力スケールを決定-理化学研究所,東北大学,カールスルーエ工科大学
理化学研究所などの研究チームは,新たに決定した絶対圧力スケール(状態方程式)に基づき,地球の核の化学組成に変更を迫る成果を発表した。これは,太陽系外惑星の内部構造だけでなく,数百万気圧の高圧下での物理学,化学,材料科学に関するあらゆる物質の振る舞いに再評価を迫る重要な結果である。
今回、国際共同研究グループは、大型放射光施設「SPring-8」の放射光X線と金属レニウムを用いて,超高圧下での圧力と物質の密度の関係を表す新しい絶対スケールを決定した。このスケールは、従来比2倍の世界最高の圧力範囲で,地球の核内部の圧力まで外挿することなく適用できる。また,従来のスケールは地球の核内部の圧力領域で圧力を20%以上過大評価していたことが判明した。 地球の核は,固体鉄を主成分にケイ素、硫黄など軽い物質が含まれる。今回のスケールでは,内核の条件では固体鉄の密度が地震学的に観測された密度より8%大きく,従来のスケールの密度との差の約2倍に当たります。この結果から,核に含まれる軽い物質は地球の表層部(地殻)の質量の5倍以上相当の量に見積もられると分かった。