画像を認識する人工知能をコンパクトに実装できる新手法を開発筑波大学
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筑波大のグループは、画像を認識する人工知能をコンパクトに実装できる新手法を開発した。
顔認証などでは、人間の視覚をモデルにした「畳み込みニューラルネットワーク」(CNN)と呼ばれる人工知能(AI)の計算手法を用いる。CNNは人間の視覚に相当する「畳み込み演算部」と視覚情報から画像の種類を推論する脳の働きに相当する「全結合演算部」から構成される。脳ニューロンの部分の計算をバランス良く削減してより小さな構成とし、データの精度(ビット数)も限界まで削減すれば、元のCNNと同一の認識率を実現し、計算量を削減、ハードの小型化もできる。
この削減手法として、視覚部分のNetwork Slimming(NS)、脳ニューロン部分のDeep Compression(DC)、ビット数のInteger Quantization(IQ)の3つがある。今回3つの適用順序としてIQ→NS→DCが最適と解明、適用割合を自動的に決定するアルゴリズムを開発。このアルゴリズムで、CNNを28倍も圧縮できる3つの手法の削減割合を、従来より76倍も速く発見できる。
この成果は、画像認識のAI技術で計算量を劇的に下げ、消費電力減少やAI向け半導体デバイスの小型化につながると期待される。