土壌中のナノプラスチック濃度の測定技術を開発産業技術総合研究所,早稲田大学
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産業技術総合研究所などのグループは、ナノプラスチック濃度の測定技術を開発した。大きさ1 µm以下のナノプラスチックと呼ばれるプラスチックは、摂取や吸入などでの人体への影響が懸念される。現状で検出可能な土壌中プラスチックの最小サイズは約1 µmで、土壌中のナノプラスチックの分布状況は明らかになっていない。
今回開発の技術は、ナノプラスチックと土壌粒子の吸光度スペクトルの差を利用して、土壌有機物や土粒子とナノプラスチックを分離せず、従来難しかった土壌試料中のナノプラスチック濃度を算定する。土壌粒子とナノプラスチックの吸光度スペクトルが異なることを利用し、1つの土壌懸濁液に対して2つの波長の吸光度を測定、懸濁液中の土壌とナノプラスチックのそれぞれの濃度が定量できる。検討の結果、波長220~260 nmおよび280~340 nmの吸光度での組み合わせがさまざまな性質の土壌懸濁液中のナノプラスチック濃度を算定するのに適すると考えられる。