神経突起の配線を多色標識し自動解析する手法を開発九州大学
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九州大学のグループは、多色標識で神経回路のつながりを自動解析する手法を開発した。
われわれの脳機能は、膨大な数の神経細胞による複雑な演算で実現している。脳における情報処理の仕組みの理解には神経細胞の配線を明らかにしたいが、脳では多くの神経細胞の配線が絡み合い、多数の神経細胞の配線を同時解析することは困難だった。
本グループではまず神経細胞を7種類の蛍光タンパク質の組み合わせによる多色標識に成功。さらに、色の識別を実現する新プログラム「dCrawler」を開発。色の識別を7原色に拡張,さらにdCrawlerで神経突起の色情報を分類、似た色の組み合わせをもつ神経突起を自動同定するプログラム「QDyeFinder」も開発した。これにより、色情報だけに基づいて、多くの神経突起の配線の様子を自動解析することに成功、神経回路の配線の解析が飛躍的に向上した。
本成果は、神経回路の配線図を明らかにする「コネクトミクス」の発展への寄与が期待される。