ナノ秒紫外レーザーでナノ構造を高密度にシリコン太陽電池表面に形成大阪産業大学,東海大学,京都大学,核融合科学研究所
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大阪産業大学などのグループは、ナノ秒紫外レーザーによりシリコン太陽電池表面に20 nm程度の先端を有するナノドット構造形成に成功した。特にレーザーを融解閾値以下のフルエンス(1パルス、単位面積あたりのレーザーのエネルギー)に調整し照射することで、回折限界よりもはるかに小さい、レーザー波長の1/12以下の構造を均一かつ高密度に材料表面に形成するレーザー超微細加工技術を開発した。
ナノドット構造をもつシリコン太陽電池は、(1)反射率を5%程度に低減、(2)構造の先端に圧縮応力を付与、(3)バンドギャップを高く制御できることから、量子閉じ込め効果によりシリコン太陽電池の高効率化を加速する技術として期待される。本成果は、表面構造をもつシリコン太陽電池にレーザー超微細加工することで、これまで未解明とされてきたナノ微細構造形成メカニズムにおいて新しい知見を示し、更に小さい構造を様々な固体材料に付与できる可能性を秘める。本技術は、従来は実現不可能とされた数十nmの加工サイズをレーザーにより実現する新しい技術で、様々な固体に短時間に大面積に形成できる。