OplusE 2013年12月号(第409号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
最新画像処理技術
- ■特集にあたって
- O plus E 編集部
- ■マシンビジョンカラーカメラの種類と特徴 多板式カラーカメラのメリット
- ジェイエイアイコーポレーション 山田 繁
- ■色特徴を用いたロバストパターン照合技術と実応用
- 釧路工業高等専門学校*,北海道大学** 本田 匠*,金子 俊一**
- ■目視官能検査の自動化技術
- 富士通研究所 布施 貴史,高橋 文之,長門 毅,肥塚 哲男
- ■リソグラフィーにおけるウエハーの欠陥検査
- O plus E 編集部
- ■戦略的画素削減に基づくテンプレートマッチングの高度化技術
- 中京大学工学部 橋本 学
- ■人の視知覚に学ぶ“傷の気付き”処理
- 中京大学工学部*,トヨタ自動車** 青木 公也*,舟橋 琢磨*,輿水 大和*,三和田 靖彦**
- ■主成分分析およびスペクトル理論のパターンマッチングへの応用
- 熊本大学 上瀧 剛
- ■FA応用のための3D計測手法
- オムロン 諏訪 正樹
連載
- ■【一枚の写真】動く手のひらや物体に映像と触覚刺激を提示できるシステム ~ 高速で無拘束な未来型情報環境の実現 ~
- 東京大学 石川 正俊,奥 寛雅,篠田 裕之
- ■【私の発言】シリコンフォトニクスは最終兵器 これに代わる術は未来永劫生まれない
- 横浜国立大学 馬場 俊彦
- ■【第10・光の鉛筆】24 フラウンホーファー回折の初出論文2 回折格子の分光作用の発見と製作
- 鶴田 匡夫
- ■【波動光学の風景】101 103.ミー散乱の計算の収束性
- 東芝 本宮 佳典
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第10章 半導体が光る(その2)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■【4k映像システム開発の歴史と展望】5章 統一規格への動き
- 小野 定康
- ■【コンピュータイメージフロンティア VFX 映画時評】
- Dr.SPIDER
- ■【研究所シリーズ】農業・食品産業技術総合研機構 定置型イチゴ収穫ロボットを開発
- 生物系特定産業技術研究支援センター 特別研究チーム(ロボット) 林 茂彦
- ■【ホビーハウス】目の前にあるのに見えない? しかけ絵本
- 映像技術史研究家 鏡 惟史
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
特集にあたってOplusE編集部
昨今の半導体産業の熟成の恩恵として,高性能で安価な半導体デバイスを使用した画像処理技術がいろいろな範囲で使用されている。そこで本誌12月号の特集として,『最新画像処理技術』と称した,主に色情報を用いた画像処理技術を紹介する。本特集においては,4件は色情報を用いた技術,4件は色情報に限定されない最新技術の紹介を行う。『色情報』と言う,異なる波長を使用することは,これまで主流であった濃淡カメラを使用した画像処理方法に対し,コスト・処理時間について大きな差が見受けられなくなり,その優位性,例えば色むらを検出することで高精度検出を可能とする,ことによりいろいろな製品に適用されて事例が見受けられる。
最初の記事は,(株)ジェイエイアイコーポレーションの山田氏ご執筆の『マシンビジョンカラーカメラの種類と特徴 多板式カラーカメラのメリット』である。この記事では,外観・異物検査に用いるエリアカメラとラインカメラについて,単板式カラーカメラと比較しながら多板式カラーカメラの特徴とメリットおよびその応用例について基礎的な解説をお願いした。またベイヤー変換と言われる色補間処理についても紹介されている。
2番目の記事は,釧路工業高等専門学校の本田氏,北海道大学の金子氏に『色特徴を用いたロバストパターン照合技術と実応用』と言う題目で,ご執筆いただいた。色変動にロバストな画像照合法であるカラーOCM(orientation code matching)の基本性能について述べていただき,さらに実応用の紹介も行っていただいた。
3番目として,『目視官能検査の自動化技術』と言う題目で,(株)富士通研究所の布施氏,高橋氏,長門氏,肥塚氏にご執筆いただいた。この記事においては,スマートフォンやタブレットなどに組み込んだ完成品の状態でのカメラに対して,内部に付着したゴミによる黒シミの有無の検査,画像の色合いが正常かのカラー検査のご紹介をしていただいた。黒シミの検査においては,カメラ画像内の四隅が暗くなる光学シェーディングや熱雑音などによる電気ノイズ成分を,その空間周波数の違いに着目してこれらを除去することにより,黒シミ成分のみを検出している。カラー検査では,色合いの変調を行いやすいため,人が感じる肌色の定量的な評価と合っている,YCbCr表色系を使用している。
4番目の記事として,『リソグラフィーにおけるウエハーの欠陥検査』なる題目で,OplusE編集部が執筆した。リソグラフィーにおいての欠陥の検査対象として,マスクおよびウエハーがあり,それぞれ回路パターンが無い場合とパターンが付いている場合があるが,ここではパターンが付いているウエハーの欠陥を,画像処理を使用して検出する技術を中心に,過去の方式から最新情報までインターネット検索を中心に調査した結果を記載した。その中に色を使用した,イコール異なる波長を使用した欠陥検査方法に関して実際に市販されている二つの装置に関しても簡単に紹介した。
5番目(以降の記事は,色情報に限定されない最新技術であるが,)の記事として,『戦略的画素削減に基づくテンプレートマッチングの高度化技術』と言う題目で,中京大学の橋本氏にご執筆いただいた。画像処理の処理方法の一つであるテンプレートマッチングにおいて,「濃度共起確率」を分析し,マッチングに有効な画素のみを使用することによって超高速に処理する手法を紹介していただいた。併せて時間的に安定的な画素を選択する手法,また周辺の類似物体との区別を可能にする画素を選択する手法についてもご紹介いただいた。
6番目は,中京大学の青木氏,舟橋氏,輿水氏,トヨタ自動車(株)の三和田氏に,『人の視知覚に学ぶ“傷の気付き”処理』をご執筆していただいた。欠陥検査に関して,人の視覚生理機構の一つである周辺視と固視微動の知見を考察され,それらに学ばれながら検査画像処理を実験的に実装され,その有効性を確認した結果に関して紹介いただいた。開発された検査アルゴリズムに関して,それを使用した結果が人間の目視検査においては「発見」にあたると考えられるため,「傷の気付き」処理と呼ばれている。
7番目は,『主成分分析およびスペクトル理論のパターンマッチングへの応用』と言う題目で,熊本大学の上瀧氏にご執筆していただいた。入力画像に対して,さまざまな平滑化パラメーターでのガウスフィルターを用いて,複数のガウスぼけ画像群を生成し,これらの画像群を用いて画像特徴を抽出している。認識を行うスケールスペース処理に関しては,複数のぼけ画像生成処理に主成分分析を用い,さらに関数解析学と呼ばれる分野で古くから知られているスペクトル理論を導入することで,高速で高精度な処理を可能とする技術をご紹介いただいた。
最後に,オムロン(株)の諏訪氏に『FA応用のための3D計測手法』と言う題目でご執筆していただいた。この記事においては,3D(=立体形状)計測において,FA(factory automation)応用を意識された三角測量方式を中心に,ここ数年の技術動向に関していろいろな事例を挙げご紹介いただいている。
OplusE誌においては,今後も画像処理を必要かつ重点技術と認識し,技術動向の調査を続けていく意向であり,適時,特集を組んで読者の皆さまにご紹介していきたい。
広告索引
- (株)インデコ409-007
- エドモンド・オプティクス・ジャパン(株)409-997(表3対向)
- オーシャンフォトニクス(株)409-002(表2)
- オーシャンフォトニクス(株)409-003
- オーテックス(株)409-012
- (株)オプセル409-015
- (株)オプトサイエンス409-014
- (株)オプトマックス409-013
- (株)清原光学409-016
- (株)コーンズテクノロジー409-010
- (株)コーンズテクノロジー409-011
- (有)セイワ・オプティカル409-017
- (株)東京インスツルメンツ409-008
- (株)日本レーザー409-999(表4)
- ネオアーク(株)409-009