卓上小型パルス強磁場分光において1ピコ秒の時間分解能を達成東北大学・米ライス大学

東北大学と米ライス大学の研究チームは30テスラの強磁場・低温で分光測定が行える卓上型パルス磁場発生装置を開発したと発表した。

強磁場中の分光は幅広く使用されている手法だが，従来の大型超伝導磁石やパルス磁石との組み合わせでは数メートルにもおよぶ光ファイバーを用いるため，高度な偏光測定や高時間分解能の計測が困難だった。

同研究チームが開発したシステムは，小型かつ強力である上に，直接光学系を採用することで，高波長分解能の分光測定が，従来の20ピコ秒程度から1ピコ秒で行えるようになった。また，装置の光学窓間の距離が13.5cmしかなく，試料の状態を実験時に直接除くこともできる。これまで大型施設でしか行えなかった実験の多くが大学の実験室で実現可能となり，研究の裾野が広がることが期待される。