OplusE 2014年5月号(第414号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
干渉計技術・温故知新
- ■特集にあたって
- OplusE編集部
- ■直線状波数走査干渉計による薄膜形状測定
- 新潟大学 佐々木 修己
- ■波長情報を選択的抽出可能な位相シフトディジタルホログラフィ
- 関西大学*,東京農工大学**,田原 樹*,新井 泰彦*,高木 康博**
- ■ホログラムによる再生像の3次元点広がり関数?3次元イメージングの分解能とは?
- 岩手大学 小原 正樹,吉森 久
- ■産業用ポータブルOCTスキャナー
- 千葉大学 椎名 達雄
- ■ザイゴ社の干渉計技術
- OplusE編集部
- ■獨逸國オプティクス街道うたかた紀行
- 宇都宮大学 武田 光夫
特別企画
- ■国際画像機器展2013 特別招待講演
- イクシスリサーチ 山崎 文敬
連載
- ■【一枚の写真】CZ法による世界で初めて直径10インチサファイア結晶 LED用(C面),SOSデバイス用(r面)8インチウェハー供給の他スマホ用サファイアガラス製造へも道を開く
- 福田結晶技術研究所 福田 承生
- ■【私の発言】「緊急ではないが将来に重要となることを研究する」中央研究所
- 浜松ホトニクス 常務取締役 中央研究所長 原 勉
- ■【第10・光の鉛筆】29 水島三一郎とラマン分光器 1
- 鶴田 匡夫
- ■【波動光学の風景】第106回 108.ガウス型の振幅分布
- 東芝 本宮 佳典
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第15章 半導体レーザーの活躍(その1)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■【4k映像システム開発の歴史と展望】10章 エンターテイメントへの応用
- 小野 定康
- ■【コンピュータイメージフロンティア VFX 映画時評】
- Dr.SPIDER
- ■【ホビーハウス】四角の外形のカメラ
- 映像技術史研究家 鏡 惟史
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
干渉計技術・温故知新OplusE編集部
「干渉」という言葉を聞くと,最近のウクライナとロシアの関係から武力干渉なる言葉を想像し,他人のことに立ち入って自分の意思に従わせようとする様な意味をイメージし,あまり良くない言葉の様に感じる。しかしながらそこに計が付いた「干渉計」となると,俄然「善玉」となる。干渉計の報告は,1805年に行われたヤングの実験が最初であろうから,それ以来200年以上に渡り,人類に貢献している技術であることは読者の皆さまはご存じと思う。だが,この干渉計技術に関して,特に昔のことや海外技術に関して,報告が少ないのが現状であろう。
そこで本誌5月号では,「干渉計技術・温故知新」と称した,
- 最新の国内でのご研究事例 四件
- ザイゴ社製品の干渉計技術の変遷
- ドイツにおける光計測情報
まず,最新の国内でのご研究事例として,ここ数年,国内の学会等でご報告されている内容を紹介する。
最初に,新潟大学の佐々木修己さまに,「直線状波数走査干渉計による薄膜形状測定」と題する記事の執筆をしていただいた。
同じ技術内容に関して多くの場合,「波長走査」と呼んでいる。しかしながら,この記事においては,走査する波長幅が大きいと,等間隔の波長を使用した処理の結果の誤差を問題とし,波長の逆数の波数を等間隔に走査すると明確にするために,「波数走査」と呼ばれている。
さらに参照面の位置を微調整することで,干渉信号の正弦波波形の周期を最適な値とし,位相を利用することで,厚さ4μmの酸化シリコン膜の表裏面を区別して15nm以下の誤差で計測されている。
二番目に,関西大学の田原 樹さま,新井泰彦さま,東京農工大学の高木康博さまに,「波長情報と選択的抽出可能な位相シフトディジタルホログラフィ」と題する記事の執筆をしていただいた。
位相シフト干渉法とディジタルホログラフィの融合技術である位相シフトディジタルホログラフィに,複数の波長を特定の波長以外の位相シフト量を2πの整数倍とする方法の紹介である。本記事では,シミュレーションにより撮像素子に関しての検討結果を報告されている。
三番目に,岩手大学の小原正樹さまに,「ホログラムによる再生像の3次元点広がり関数」と題する記事の執筆をしていただいた。
本記事では,まず全干渉型3次元イメージング分光法と呼ばれる,物体の分光情報と3次元形状情報を同時に計測する方法の紹介と,次にその方法のホログラフィによる再生像の分解能に関して,インパルス応答関数を評価基準として,検討した結果を報告していただいた。
最新国内ご研究事例の紹介の最後として,千葉大学の椎名達雄さまに,「産業用ポータブルOCTスキャナー」と題する記事の執筆をしていただいた。
この記事ではOCT(Optical Coherence Tomography)のTime-Domain方式に関して,本産業用OCT専用に開発されたSLD(Super Luminescent Diode)を光源として使用したマイケルソン干渉計による,人間の歯と肌を計測した結果をご紹介いただいた。
本特集の二番目として,「ザイゴ社の干渉計技術」の内容を紹介する。
これまで本誌には多くのザイゴ社の技術に関する記事を紹介してきた。さらに古くには「私の発言」にもご登場していただいている。しかしながら技術の変遷に関しての情報は存在していないことが今回の特集にあたっての調査で判明したので,本編集部の取材により,ザイゴ社設立から今日までの約40年の技術動向を紹介する。
なお,この特集をまとめる最終段階において,ザイゴ社がAMETEK社に買収されたとのニュースが入ってきた。ザイゴ社の技術が今後,どの様に変わっていくか予想することは難しいが,この時点で技術の変遷をまとめたことは,タイムリーであろう。
本特集の三番目として宇都宮大学の武田光夫さまに,「獨逸國オプティクス街道うたかた紀行」と題する寄稿記事の執筆をしていただいた。
武田先生は,ドイツのアレキサンダー・フォン・フンボルト財団から,2012 年度のHumboldt Research Awardを受賞され,同財団からの招聘により昨年,半年ほどシュツットガルト大学に滞在された。その時にご覧になったドイツにおける光計測事情に関して,自由な印象をお書きいただいた。
なお,今回表紙に掲載した干渉縞パターンは,ティルト波干渉計によるもので,本文中にも登場するシュツットガルト大学光工学研究所(ITO)が開発したものである。
温故知新と称したのに,昔の情報は,ザイゴ社のものしか紹介できなかった点,今後,他の内容に関しても特集として紹介することをお約束するとして,お許し願いたい。
広告索引
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- エドモンド・オプティクス・ジャパン(株)414-997(表3対向)
- FITリーディンテックス(株)414-010
- オーシャンフォトニクス(株)414-002(表2)
- オーテックス(株)414-999(表4)
- (株)オプトサイエンス414-013
- キヤノンマーケティングジャパン(株)414-008
- (株)清原光学414-015
- (株)システムズエンジニアリング414-009
- (株)セイワ・オプエティカル414-016
- (株)ティー・イー・エム414-007
- (株)東京インスツルメンツ414-018
- (株)トライオプティクス・ジャパン414-014
- ネオアーク(株)414-011
- 三鷹光器(株)414-012