SACLAを用いた固体の光電子スペクトルの時間分解計測に成功理化学研究所,キール大学,自然科学研究機構分子科学研究所,高輝度光科学研究センター
これにより,従来困難であった固体の深い層にある構成元素の選択的かつ時分割的調査や,電子状態の過渡的な超高速現象の観察が可能になる。また,trHAXPESによる空間電荷効果の時間分解計測にも成功し,その時間依存性から,ポンプ光とプローブ光の同時照射時刻を高精度で見いだせることを突き止めた。
今回の時間分解測定は,超高速で起こる電子状態の変化をピコ秒以下の時間分解能で追跡して,光誘起相転移現象,物質の界面における電荷移動現象や,動作中の半導体デバイスの電子状態を観察するオペランド計測などの応用が期待されている。