ゲルマニウム導入し光るダイヤを開発東京工業大学,科学技術振興機構
ダイヤモンド中のカラーセンターにおいて,窒素(N)-空孔のNVセンターは主要な発光波長であるゼロフォノンラインでの強度が小さく,シリコン(Si)-空孔のSiVセンターは合成装置中の不純物から取り込まれやすく形成が制御しづらかった。今回,ダイヤモンド中にゲルマニウムを導入することで,ゲルマニウムと空孔が結びつき,室温・大気中で安定して発光することを発見した。カラーセンターが多く含まれているアンサンブル状態だけでなく,ゲルマニウム原子1個と空孔の組合せからなる単一カラーセンターも安定して形成できることを確認した。さらに,マイクロ波プラズマ化学堆積法を使用し,発光波長の均一性に優れた高品質アンサンブルGeVセンターの形成も成功した。今後,生細胞イメージング用のバイオマーカーや量子暗号通信への応用が期待できる。