OplusE 2017年9月号(第454号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
IoT関連技術 -何をして,どう変わるか-
- ■特集にあたって
- O plus E編集部
- ■IoTのための半導体デバイス
- O plus E編集部
- ■IoT向け,長距離・省電力無線伝送技術の開発
- ソニーセミコンダクタソリューションズ 小林 誠司,三田 宏幸,米山 悠介,遠藤 彰,本山 英志,荒島 謙治,藤木 敏宏
- ■光ファイバーネットワークが拓くIoT社会の可能性
- 千歳科学技術大学 山林 由明,三澤 明,吉本 直人
- ■ディープラーニングによる異常検知手法
- NTTデータ数理システム 岩本 圭介,徐 良為
- ■富士通のIoTビジネスへの取り組みと最新技術について
- 富士通*,富士通研究所** 須賀 高明*,奥山 敏**
- ■「スマートコンストラクション」が目指す未来の建設現場
- コマツ 四家 千佳史
特別企画
- ■画像センシング展2017 招待講演レビュー
- 東京大学 石川 正俊
- ■画像センシング展2017 誰にでもわかる「特別講演」レビュー
- 東芝 岡田 隆三
連載
- ■【一枚の写真】光でほどける螺旋状人工ナノ繊維
- 千葉大学 矢貝 史樹
- ■【私の発言】面白い種はいっぱい転がっているから,気がついたらおやりなさい
- 東京工業大学名誉教授 辻内 順平
- ■【第11・光の鉛筆】21 正三角形色度図から直角三角形色度図へ
- 鶴田 匡夫
- ■【干渉計を辿る】第4章 光学実験法(干渉計実験法)
- 市原 裕
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第55章 目にも鮮やかディスプレイ(その2)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■コンピュータイメージフロンティア
- Dr.SPIDER
- ■【ホビーハウス】ステレオ写真の本(第106回)3Dお絵かきと3Dぬり絵の本
- 鏡 惟史
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
表紙写真説明
IoT(Internet of Things)では様々なモノに接続されたセンサーからの情報を処理し活用を行うが,そのデータの送受信方法として長距離・低消費電力の無線伝送技術が注目されている。図は,「安定な長距離通信を実現する, ソニーのLPWA方式の無線システム」である。(図クレジット:ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社)
(関連記事「IoT向け,長距離・省電力無線伝送技術の開発」小林 誠司ほか:詳細は854ページ)
特集にあたってO plus E編集部
IoT関連技術 -何をして,どう変わるか-
1999年にP&G社に勤務していたKevin Ashtonがプレゼンテーションの中で初めて使ったというIoT(Internet of Things)は,あらゆる“モノ”がインターネットにつながることで新たな付加価値を生み出すとして大きな注目を集めている。「IT革命」という言葉が2000年に流行語大賞として選ばれているが,IoTの概念自体は,初期のころからあったことになる。
IoTと似た概念としてはそれの提案より10年前の1989年にゼロックス社のパロアルト研究所から「ユビキタスコンピューティング」が提唱された。これは,社会や生活の至る所にコンピューターが存在しており,生活者がコンピューターの使用を意識することなく,いつでもどこでも情報にアクセスできき,コンピューター同士が自律的に連携して動作することにより,人間の生活を強力にバックアップする情報環境としていた。
1999年以降,すぐには「IoT」という言葉が広まることはなかった。しかし,スマートフォンが急増し始めた2010年前後から,通信業界で大きな影響力を持つ複数の会社が再び「IoT」という表現を用いるようになった。そして,IoTという言葉が言われ始めてから18年目の今年,2017年は「IoT元年」と言われている。
そこで本誌O plus Eでは,誌名の由来にもある光とエレクトロニクスの技術を,専門ではない読者の皆さまに最新技術を紹介するという意図で,2017年9月号では,以下の6件の記事で「IoT関連技術 -何をして,どう変わるか-」と題した特集とした。
①IoTのための半導体デバイス
OplusE 編集部
②IoT向け,長距離・省電力無線伝送技術の開発
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
小林 誠司さま,三田 宏幸さま,米山 悠介さま,遠藤 彰さま,
本山 英志さま,荒島 謙治さま,藤木 敏宏さま
③IoT社会に向けた光ネットワークの可能性
千歳科学技術大学
山林 由明さま,三澤 明さま,吉本 直人さま
④ディープラーニングによる異常検知手法
株式会社NTTデータ数理システム
岩本 圭介さま,徐 良為さま
⑤富士通のIoTビジネスへの取り組みと最新技術について
株式会社富士通*,株式会社富士通研究所**
須賀 高明さま*,奥山 敏さま**
⑥「スマートコンストラクション」が目指す未来の建設現場
コマツ
四家 千佳史さま
3年前,2014年に,IBMは「データは21世紀の新たな天然資源である」と言っていたが,今年の3月にAIコンピューティング・ワトソンやスーパーコンピューター・ブルージーンを使って気象データを分析するデータをいよいよ販売するというニュースがあった。
同じように 今年,インテルも「インテルはデータカンパニーになる」と言っている。
IoTシステムで最も重要なことは,ビッグ・データを情報に変え,ソリューションとして提案・適用することで生産性や売り上げを上げることであろう。
センサーからのデータを集めるだけでは意味がない。ビッグ・データと呼んでいるうちは有効活用できていないことであるという意見もあるが,その通りである(これは,そのデータを有効活用しているのであれば,そのデータは「○○用データ」と特別な名前で呼ばれるからである)。
この様に,海外,特に米国では,大手企業だけでなく,多くの新規ベンチャー企業がIoTや人工知能(Artificial Intelligence:AI)関連の技術開発や実用化に多くのリソースを割いている。適用の対象としては農業,製造,コンテンツ,サービス,ライフサイエンス,エネルギー,インフラなど多分野にわたっている。
それでは,あとどれくらいで目指す世界を実現できるのであろうか(未来になれば出遅れている我々日本にもチャンスがあるかもしれないのだが…)。
前述の28年前に提唱された「ユビキタスコンピューティング」だが,現状では「至る所にコンピューターが存在」は実現し,「コンピューターの使用を意識することなく,いつでもどこでも情報にアクセスできる」はスマホを使用して,とすれば実現できていると言えよう。ただ「コンピューター同士が自律的に連携して」までは,まだ具現化されていない。
POS(Point of sale)システムに関して考えてみると,コンビニエンスストア等の在庫管理に使用されている。しかしながら新たなビジネスモデルに展開するには,担当者の技量に依存している様である。
この一例としてData Miningの「都市伝説」とも一部で言われている「紙おむつと缶ビール」の関係がある。これは金曜日の夜に男性が一緒に購入する傾向があるとPOSのデータから発掘したものである。
ただ,これを受けて紙おむつと缶ビールを隣接して販売して売り上げを向上した,とまではつながっていない様である。
IoTだけで明るい未来がくるのでは,と言葉だけが先行している様だが,IoTが何をしてくれるかではなく,IoTで何を変えるのかを見極めるのが重要であろう。「仏作って,魂入れず」とならない様,IoT導入だけを目標とせず,最終モデルを見据えた多くの日本企業の研究開発を期待したい。
なお,今月号の表紙には,ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社さまからご提供いただいたLPWA(Low Power Wide Aria)方式の無線システムを示す概念図「安定な長距離通信を実現する,ソニーのLPWA 方式の無線システム」を使用させていただいた。このLPWA方式の無線システムについては,記事「IoT向け,長距離・省電力無線伝送技術の開発」で詳しく解説いただいている。
あらためて図の提供に感謝し御礼を申し上げます。ありがとうございました。
広告索引
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