新発想のレーザー技術で狭帯域の高エネルギーテラヘルツ波を発生ドイツ電子シンクロトロン(DESY),ハンブルグ大学,ELIビームライン,分子科学研究所 研究グループ
テラヘルツ波は電磁波の一種であり,赤外線とマイクロ波の中間に位置している。テラヘルツ波は,粒子加速器の小型化にも寄与しており,テラヘルツ波の波長は,現在の粒子加速器で使用されている電波の約1000分の1であり,これは,加速器の構成要素の大きさも約1000分の1になることを意味する。しかし,十分な数の粒子を加速するためには,狭帯域で強力なテラヘルツ波が必要であったところ,今回,強力なパルスレーザーと分子科学研究所が開発した非線形光学結晶LAPPMgLNを用いて,狭帯域(単色)で高エネルギーの非常に特殊なテラヘルツ波パルスを発生させる手法により成功した。この新しいテラヘルツ波発生は,実験室のベンチサイズほど小さな次世代粒子加速器の開発につながる画期的な方法である。