OplusE 2013年11月号(第408号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
新たな展開を見せる映像表現技術「プロジェクションマッピング」
- ■2015年度に3000億円と予測されるプロジェクションマッピング市場
- O plus E 編集部
- ■総論:プロジェクションマッピングが活用される
- アンビエントメディア 町田 聡
- ■プロジェクションマッピングの投影補正技術
- オリハルコンテクノロジーズ 高幣 俊之
- ■プロジェクションマッピングに使われるプロジェクターシステム
- バルコ 村上 壽一
- ■プロジェクションマッピング登場の歴史と展望
- 神奈川工科大学 白井 暁彦
- ■プロジェクションマッピングにおけるインタラクティブ技術
- 大阪大学 岩井 大輔
- ■日本におけるプロジェクションマッピングの屋外常設展示例
- 事例:六本木「Hard Rock Cafe Tokyo」と横浜「ドックヤードガーデン」:アンビエントメディア 町田 聡
- ■S3D映像によるプロジェクションマッピングの可能性
- 事例:広島「第52回日本SF大会“時空の階段”」:クオリティエクスペリエンスデザイン 阿部 信明
連載
- ■【一枚の写真】世界初,民間商用超小型衛星による北極海観測
- アクセルスペース 中村 友哉
- ■【私の発言】つぶれそうでも取り乱さずに冷静になること
- 光コム 代表取締役会長 興梠 元伸
- ■【第10・光の鉛筆】23 フラウンホーファー回折の初出論文1 無収差レンズの回折像
- 鶴田 匡夫
- ■【波動光学の風景】100 102.ミー散乱の計算例
- 東芝 本宮 佳典
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第9章 半導体が光る(その1)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■【4k映像システム開発の歴史と展望】4章 高品質映像へのチャレンジ
- 小野 定康
- ■【コンピュータイメージフロンティア VFX 映画時評】
- Dr.SPIDER
- ■【研究所シリーズ】国立環境研究所 デジタルカメラの定点撮影による高山生態系モニタリング方法の開発
- 地球環境研究センター陸域モニタリング推進室:井手 玲子
- ■【ホビーハウス】しかけ絵本の新しい展開
- 映像技術史研究家 鏡 惟史
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
新たな展開を見せる映像表現技術「プロジェクションマッピング」OplusE編集部
プロジェクションマッピング(以下“PM”)は歴史的にはかなり以前からある技術である。普通のプロジェクターは白いスクリーンに映像などを投影するが,PMではある物体に投影する。その場合,投影する映像がその物体の存在する部分のみであることが特徴である。そのため,大きい物体(建物など)に投影する場合には,普通のプロジェクターに比べて,より高輝度で映像を投影するプロジェクターが必要である。また屋外でPMを実現する場合は,明るくない場所で,また夜に限られるという制約も受ける。そのためには,1台のプロジェクターで投影する画角を小さくして輝度を大きくし,また複数台のプロジェクターで投影面をタイリングする方式が使われる。建物に投影する場合の一例として,その建物が崩れる映像を投影すれば,新たな映像表現になる。このように,CGを含むデジタル映像表示と組み合わせることにより,PMの新しい使われ方が進みつつある。最近では,投影する物体として,雲に投影する試みもなされている。この特集では,PM技術の基礎,ポイントから適応例まで広く紹介することにより,PMに興味・関心を持っている読者に,現在のPM技術の現状を紹介するとともに,現在PMに携わっている人にとっても役立つことを意図している。PMの商業利用から地域活性化や新しい表現に挑む 町田聡氏(アンビエントメディア代表)にゲストエディターをお願いし,この特集を組んだ。PMがより一層広く使われるようになるための一助になることを期待している。2015年度には,3000億円の市場になるとの予測もある。この数字を裏付けるかのように,今年の11月から東京・お台場の商業施設等で1年を通してPMが上映されるようになる。これは,東京都の支援を受け,2020年の東京オリンピック開催や国際会議誘致に向けた街の活性化につなげようとの試みだ。
PMには大きく分けて,多数人が同時に見ることを想定するPMと,1人だけで見ることを念頭に置いたPMがある。前者がこの数年話題になっているが,後者はいわゆるバーチャルリアリティー(VR:virtual reality)の分野で20年以上前から研究開発され続けている。本特集の記事で,“プロジェクションマッピング登場の歴史と展望”およびバーチャルリアリティー分野での“プロジェクションマッピングにおけるインタラクティブ技術”は主に後者の分野の内容であり,総論を除くそれら以外の記事は前者のPMについての記事である。
本特集では総論で,PMについてまず歴史的な発展について,またPMを分類して全体を俯瞰している。次に,大きい物体に投影するPMでの投影映像の調整技術について紹介している。現在のPMでは,既存のプロジェクターのうち,主に市販の高輝度のプロジェクター(大スクリーンのデジタルシネマ映画館で使われている)がそのままあるいは投影光学系などを変更したものが使われている。使われるプロジェクターメーカーとしては,バルコ(株),クリスティ・デジタル・システムズ日本支社,パナソニック(株)が主である。本特集では,バルコ社に執筆をお願いした。現在では一時的なイベントで使われることが多いので,レンタル会社からの借用が大半であるが,将来的には恒常的(常設)に使われる可能性も大きいと思われる。そして,大型の常設展示例として,東京六本木の「Hard Rock Cafe Tokyo」と横浜「ドックヤードガーデン」のPMについて,また新しい試みとして,今年の夏に広島で開催されたPMにおける立体映像への取り組みについて紹介する。
本特集では,同じ専門的な技術用語(technical term)が異なる記事で登場し,オーバーラップすることもあるが,分野によって定義あるいはニュアンスが若干異なる場合もあることを想定してお読みいただきたい。
最後に,大変忙しい町田氏に企画段階から相談にのっていただいたこと,また忙しい方々に執筆をお願いし対応していただいたことに,お礼を申し上げる。
広告索引
- (株)インフラレッド408-010
- エドモンド・オプティクス・ジャパン(株)408-997(表3対向)
- FITリーディンテックス(株)408-011
- オーシャンフォトニクス(株)408-003
- オーテックス(株)408-999(表4)
- (株)オプトサイエンス408-013
- コーンズテクロノジー(株)408-008
- コーンズテクロノジー(株)408-009
- (株)システムズエンジニアリング408-002(表2)
- フルウチ化学(株)408-007
- 三鷹光器(株)408-012