OplusE 2014年10月号(第419号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
太陽光エネルギーの積極的利用
- ■特集にあたって
- O plus E 編集部
- ■太陽光と地球エネルギーの関係
- O plus E 編集部
- ■太陽光発電の基本とシステムの概略
- O plus E 編集部
- ■太陽光発電ビジネスの展望
- 和光大学 岩間 剛一
- ■塗って作る薄膜太陽電池:半導体ポリマーの開発
- 理化学研究所 尾坂 格,瀧宮 和男
- ■シリコンインクを用いた低コスト量子ドット太陽電池
- 東京工業大学 野崎 智洋
- ■太陽光励起レーザーとその応用
- 東京工業大学 矢部 孝
- ■家庭における太陽電池発電14年間の体験
- 元東海大学 後藤 顕也
連載
- ■【一枚の写真】宇宙から雨と雪を三次元でスキャンする
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)地球観測研究センター(EORC) 可知 美佐子,久保田 拓志,沖 理子
- ■【私の発言】人より早く始めることでエキスパートとしてさらに上位の仕事を目指す
- 林 洋一
- ■【第10・光の鉛筆】34 非球面に関する興味ある文献 4 DescartesからSchwarzschildへ
- 鶴田 匡夫
- ■【波動光学の風景】第111回 113.ラゲール・ガウシアンビーム
- 東芝 本宮 佳典
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第20章 面発光レーザーの登場(その3)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■【コンピュータイメージフロンティア VFX 映画時評】
- Dr.SPIDER
- ■【ホビーハウス】カメラが付録に付いている幼児向けの雑誌
- 映像技術史研究家 鏡 惟史
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
特集にあたってO plus E 編集部
日本では,2011年3月11日に発生した東日本大震災及び大津波による福島第1原子力発電所の事故により,エネルギー特に電力エネルギーに対する国民の考え方が大きく変わってきている。日本の原発が2014年夏現在全部停止していることもあり,化石燃料による発電が大部分を占め,排出されるCO2量の増大や地球温暖化への影響も懸念されている。太陽光が地球に当たる1時間のエネルギーで,現在地球で使っているエネルギーの1年分に相当する。このエネルギーをより有効に利用しようという動きが,地球上の全人口の増加,大気中のCO2濃度の増加に伴う地球温暖化や原発問題などで注目を浴びている。これらの問題を全世界で議論し,最初の大きい方針が決められたのは1997年に日本の京都で開かれ宣言された「京都議定書」である。「第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)」が開かれ,この会議の中で議決した議定書のことである。そこでは,次のように決議された。
- 基 準 年
- 1990年
- 目標期間
- 2008年から2012年
- 目 標
- 各国の目標→日本:~6%,米国:~7%,EU:~8%等。
先進国全体で少なくとも5%削減を目指す。
その後,東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故やそれ以降の多くの原子力発電所の停止により,計画停電が実施された。それがトリガーになり,再生可能エネルギー普及のために,2012年7月に再生エネルギー特別措置法(FITの一種)が制定・施行され,電力会社が電力を買い取ることが義務化された。その買い取り価格については,「太陽光発電ビジネスの展望」の記事の図表―6を見ていただきたい。価格の幅は発電能力か方式によって変わることを示している。
再生可能エネルギーの発電能力量は,2012年末では,
- 中国:90
- アメリカ:86
- ドイツ:71
- スペイン:31
- イタリア:29
- インド:24
(単位:ギガワット)
REN21*)のリポートより
(すべて大型水力発電は除く。小水力発電は含む)
*)REN21:“21 世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク”のこと。自然エネルギーを世界中に広めることを目的とし2005年に発足。パリに本部をおき,様々な分野の専門家によって運営されている。
このような背景から,本特集では,“太陽光エネルギーの積極的利用”の特集を組むことにした。関連した特集として,本誌の2009年10号「エネルギー問題と光技術」及び2011年7号「省エネ・自然エネルギー対応フォトニクス」があるので,それらも参考にしていただきたい。本特集ではまず再生可能エネルギーの大本である「太陽光と地球エネルギーの関係」について天文の専門家にお願いしたが,都合で執筆いただけなかったので,やむをえず,編集部が簡単に書いた。他はすべて太陽光発電の記事である。そして最初に,「太陽電池の基本とシステムの概略」について,初歩の部分を専門外の編集部でまとめてみた。
太陽光発電はすでにビジネスとして成長しつつあるので,「太陽光発電ビジネスの展望」を,和光大学・経済経営学部教授の岩間先生にお願いした。
次に,将来実用化される可能性がある太陽電池について2編,すなわち「塗って作る太陽電池(半導体ポリマー)の開発」を理化学研究所 創発物性科学研究センター 超分子機能化学部門 創発分子機能研究グループの尾坂格氏に,「Siインクを用いた低コスト量子ドット太陽電池」を東京工業大学・機械物理工学専攻の野崎智洋先生にお願いした。
またレーザーについて「太陽光励起レーザーとその応用」として,私の発言にも登場していただいた東京工業大学の矢部孝先生にお願いした。
最後に,実際に長年自宅の屋上に太陽電池システムを作動させてきた経過を「家庭における太陽電池発電14年間の体験」として,元東海大学の後藤顕也先生にその苦労話をお願いした。太陽光発電や再生可能エネルギーに関心ある読者の一助になることを願っている。
広告索引
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