OplusE 2016年1月号(第434号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
未来に羽ばたくオプティクス+エレクトロニクス
- ■特集にあたって
- O plus E 編集部
- ■生物学・医学における光イメージングの進展
- 東京大学 小関 泰之
- ■EUVLの夜明け
- ギガフォトン 溝口 計
- ■ポストムーア時代のコンピューティングを支える光技術
- 産業技術総合研究所*,東京大学** 並木 周*,河島 整*,高野 了成*,工藤 知宏**
- ■面発光レーザーが拓く光インターコネクトの世界
- 東京工業大学名誉教授 伊賀 健一
- ■超高精細映像“8K”の状況と展望
- 映像技術ジャーナリスト 石田 武久
連載
- ■【一枚の写真】演奏中のヴァイオリン弦の振動
- 東京工業大学 松谷 晃宏
- ■【私の発言】日本の次世代のため日本の光学産業に何らかの貢献をしていきたい
- チームオプト 代表取締役社長 槌田 博文
- ■【第11・光の鉛筆】2 ニュートンの色度図 音楽の調和と色の調和
- 鶴田 匡夫
- ■【干渉計を辿る】第1章 白色干渉計を用いたレンズ厚測定 1.2 分散補正されたビームスプリッターの作製法
- 市原 裕
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第35章 多彩な役目の微小光学(その1)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■コンピュータイメージフロンティア
- Dr.SPIDER
- ■【ホビーハウス】お金が縮む貯金箱の話題
- 鏡 惟史
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
特集にあたってO plus E 編集部
未来に羽ばたくオプティクス+エレクトロニクス
2016年を迎えた,本誌『O plus E』は創刊38年目に突入した。これは,1979年の創刊以来,長きにわたりご愛顧くださった読者の皆さま,またご多忙の中,弊誌にご執筆くださった皆さまのおかげである。編集部一同から心よりお礼申し上げる。2015年は『光と光技術の国際年(International Year of Light and Light-based Technologies)』であった。前年2014年12月の赤﨑勇博士,天野浩博士,中村修二博士の「高輝度・低消費電力白色光源を可能とした高効率青色LEDの発明」によるノーベル物理学賞受賞と,エリック・ベッツィヒ博士,シュテファン・ヘル博士,ウイリアム・モーナー博士の「超解像度の蛍光顕微鏡の開発」によるノーベル化学賞受賞により,光技術に注目が集まる中で,光技術が地域の段階に関わらず地球社会の将来の発展に重要であることを知らしめ,光に関する新しい知識と光関連の活動を促進することの重要性を周知するために,さまざまな国際会議やイベント,シンポジウムなどが開催された。
本誌も光技術の周知という点で微力を尽してきた。しかし,光技術の発展とその周知に終わりはない。そこで新しい年を迎えるに当たり,新年号の特集として「未来に羽ばたくオプティクス+エレクトロニクス」を企画し,以下のテーマでそれぞれの分野の動向や今後の展開などについてご執筆いただいた。
まず,「生物学・医学における光イメージングの進展」という題で,東京大学の小関泰之先生に,最近の光イメージングにおけるトピックスとともに,光イメージングの進展をご紹介いただいた。この分野では,イメージング技術を支える光源や光デバイス,コンピューターの性能向上と,化学・生物学による標識技術の開発,そして医学・生物学におけるニーズが重なることで,生命現象の解析や新たな診断手法の開発に役立つことが期待されている。
次に「EUVLの夜明け」としてギガフォトン株式会社の溝口計氏に,EUVL(Extreme UltraViolet Lithography)の光源開発の進展をご紹介いただいた。EUV開発は商用ベースでの国際競争の時代に突入しており,将来に向けたさらなる短波長光源への展開など目が離せない状況である。
三番目として,産業技術総合研究所の並木周先生,河島整先生,高野了成先生,東京大学の工藤知宏先生には「ポストムーア時代のコンピューティングを支える光技術」についてご紹介いただいた。終焉を迎えようとしている「ムーアの法則」だが,情報処理・通信機器にはさらなる高性能化が求められている。個々の機器の処理能力によらない新しい技術の融合が必要となってきている。
四番目として,そのネットワークの高性能化に欠かせない光インターコネクトについて東京工業大学名誉教授の伊賀健一先生に「面発光レーザーが拓く光インターコネクトの世界」と題してご紹介いただいた。面発光レーザーの発明からおよそ38年が経過し,100Gbit/sクラスの大規模高速光通信,光インターコネクト,光情報処理,電子デバイスとの集積化など,多様な展開が期待されている。
最後に「超高精細映像“8K”の状況と展望」を映像技術ジャーナリストの石田武久氏にご紹介いただいた。
超高精細度である4K放送の試験放送がすでに始まり,2018年には4K,8Kの実用放送に移行するとしたロードマップも発表されている。国内外の放送関係展示会においても,実用放送に向けた4K,8Kが大きなテーマになっているほか,医療や芸術,計測や監視などさまざまな分野への応用が進められている。
光技術,画像技術は日本における産業の大きな柱の一つであり,医療,通信,エネルギー,宇宙開発,運輸など多岐に渡り大きな影響をあたえている。光技術,画像技術の発展がよりよい未来を作る礎となることが期待される。
2016年が読者の皆さま,そして光技術と画像技術にとって素晴らしい1年でありますように。
広告索引
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