OplusE 2016年7月号(第440号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
宇宙の始まりに迫る
- ■特集にあたって
- O plus E 編集部
- ■宇宙の始まりと注目の観測方法
- 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 村山 斉
- ■すばる超広視野主焦点多天体分光器で宇宙空間を測る
- 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 田村 直之
- ■すばる超広視野主焦点カメラで調べるダークマターの分布
- 国立天文台 宮崎 聡
- ■TMTの光学技術と初期宇宙の解明
- 国立天文台 山下 卓也,柏川 伸成
- ■補償光学技術の展開
- 国立天文台 高見 英樹
- ■宇宙マイクロ波背景放射の精密観測と原始重力波
- 高エネルギー加速器研究機構 羽澄 昌史
- ■時空のゆがみを捉える:レーザー干渉計型重力波検出器を用いた超精密計測
- 国立天文台 麻生 洋一
連載
- ■【一枚の写真】夜の月と昼の月
- 東京工業大学 松谷 晃宏
- ■【私の発言】「もしかしたらできるんじゃないかな」と思ってやってみる(前編)
- 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長 村山 斉
- ■【第11・光の鉛筆】8 Maxwellの色彩論1 色いろがみ紙と回転色円盤
- 鶴田 匡夫
- ■【干渉計を辿る】第2章 測長用干渉計 2.1 レーザーマイクロテスターの開発
- 市原 裕
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第41章 エネルギーの宝庫:太陽電池(その1)
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■コンピュータイメージフロンティア
- Dr.SPIDER
- ■【ホビーハウス】絵が変わるマグカップとグラス
- 鏡 惟史
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
表紙写真説明
補償光学(Adaptive Optics:AO)は大気の揺らぎによる光波面の乱れをリアルタイムで補正して光の理論限界(以降,回折限界)の解像度を得る技術であり,天文学においては大きな成果をあげつつあり大望遠鏡では必須の装置となっている。写真は,すばる望遠鏡によって発見された太陽系外惑星GJ504b(右上)。補償光学とコロナグラフの組み合わせにより,高いコントラストを実現した。(関連記事「補償光学技術の展開」国立天文台 高見 英樹:詳細は637ページ)
特集にあたってO plus E 編集部
宇宙の始まりに迫る
最近,ノーベル賞受賞者や新しい元素を発見した研究者にマスコミが「この研究は人々の役に立ちますか」と,ヤボな質問を投げかけるシーンが放映されていた。それに対して彼らは「すぐに役に立つとは思いません。しかし…」と晴れやかに,しかも胸を張って答えていたのが印象的だった。
今回の特集はそんな人の役に立つとかの次元を超えて知的好奇心からどうしても知りたいことを追い求める話である。
このような次元を超えた話なので特集全体の構成について国立天文台の林正彦台長に監修を仰いだ。(注1)
本誌の読者の多くは光学をはじめとするテクノロジー中心の話題に慣れ親しんでいると推測する。そのような方々にはちょっと毛色の違った話になるかもしれない。
今回の特集では例えば,次のような話が出てくる。
・宇宙の始まりの大きさは原子1個よりはるかに小さかった
・重力波の検出感度は地球~太陽間の距離で水素原子1個分の長さ変化を見るもの
・宇宙の温度測定にはナノケルビンの精度が必要
どうも実生活での値とかけ離れていて,空想,あるいは理論的な計算上の話ではないかと思ってしまう。しかし特集を読んでもらうとこれらは現実に観測されたか,それに向けて実現されつつある事柄だと分かる。
今回の特集ではこの一見ファンタジーのような話の解明に現実にどのような技術が使われているか,そのさまざまな先端技術に焦点をあてるものである。
まずはIPMU機構長の村山斉氏(本号,私の発言参照)に宇宙の始まりについて説明していただき,最先端の研究者の方々に観測装置についての解説をお願いした。
その中で,我々になじみのある光学や電機メーカーの名前が出てくるのはうれしい限りである。
本号が発行されるころは七夕の季節。梅雨の晴れ間に星を見ながら138億年昔の宇宙の始まりに思いをはせてみてはいかがでしょう。
注1:O Plus E 2015年9月号掲載「私の発言」
https://www.adcom-media.co.jp/remark/2015/08/25/21473/
広告索引
- エドモンド・オプティクス・ジャパン(株)440-997
- FITリーディンテックス(株)440-007
- オーテックス(株)440-999
- (株)オフィールジャパン440-002
- カンタムエレクトロニクス(株)440-008
- (株)清原光学440-009
- デルフトハイテック(株)440-010
- (株)東京インスツルメンツ440-003