OplusE 2018年5・6月号(第461号)
- 目次
- 特集のポイント
- 広告索引
特集
2020東京オリンピックへ向けて加速するスポーツICT
- ■特集にあたって
- 慶應義塾大学 青木 義満
- ■3Dセンシング技術による体操競技採点支援システム
- 富士通研究所 手塚 耕一,桝井 昇一,佐々木 和雄
- ■ラグビー映像解析による戦術分析の効率化
- 東芝 大内 一成
- ■スポーツにおける測位衛星による位置情報活用
- 慶應義塾大学 神武 直彦,中島 円,太田 千尋
- ■画像センシング技術を活用したスポーツICTの取り組み
- パナソニック 田靡 雅基,古山 純子,冨田 裕人,濱田 匡夫
- ■VRが選手に伝えるもの -スポーツ強化のためのVRの利用-
- NTTメディアインテリジェンス研究所 三上 弾
- ■複合現実感技術を用いたデータ可視化によるスポーツトレーニング支援の試み
- 奈良先端科学技術大学院大学*,京都大学** 武富 貴史*,山本 豪志朗**
- ■リアルタイム多視点映像提示による視覚フィードバック方式
- 筑波大学 北原 格
- ■モーション・シンセサイザー ~その選手に理想的な動作を作り出す~
- 松戸整形外科病院 石井 壮郎
- ■バドミントンにおける映像情報からの戦術分析事例
- 日本ユニシス 高橋 正和
連載
- ■【一枚の写真】1億枚/秒のイメージセンサーによる光の飛翔の撮影
- 近畿大学*,立命館大学** 竹原幸生*,下ノ村和弘**,沖中知雄*,高野保英*,江藤剛治*, **
- ■【私の発言】技術的知識と十分なソフトスキルがなければ,大きなインパクトを与えることはできない
- Wilhelm Ulrich
- ■【輿水先生の画像の話-魅力も宿題も-】第3回 画像技術の学術舞台について寸考-日本の産業現場はトップカンファレンス-Road for Depicting the SHAPE of ACADEMIC COMMUNITY of IMAGE TECHNOLOGY-REAL-FIELD-ism from the Wisdom of The King of Serendip for ViEW (IAIP) and SSII-
- 中京大学/YYCソリューション 輿水 大和
- ■【光学ゼミナール】第3回 干渉
- 宇都宮大学 黒田 和男
- ■【波動光学の風景】第130回 132. 方解石越しの二重像
- 東芝 本宮 佳典
- ■【干渉計を辿る】第7章 チャネルドスペクトラム
- 市原 裕
- ■【光エレクトロニクスの玉手箱】第62章 光で印刷:レーザープリンター
- 伊賀 健一,波多腰 玄一
- ■【霜田光一に聞く電波と光の最前線開拓(新連載)】第0章 霜田光一の百年と電波と光技術の進展
- ヒアリンググループ
- ■【研究室探訪】vol. 3 筑波大学 画像情報研究室
- 筑波大学 画像情報研究室
- ■【国立天文台最前線 先端研究を支える人たち(新連載)】第1回 未来の天文学を担う新しい“ 芽”を育てよう
- 荒舩 良孝
- ■【ホビーハウス】3D表示の酒瓶がどんどん増える(第3報)
- 鏡 惟史
- ■【コンピュータイメージフロンティア】『犬ヶ島』『ランペイジ 巨獣大乱闘』『ピーターラビット』『メイズ・ランナー:最期の迷宮』ほか
- Dr.SPIDER
- ■【ホログラフィーアートは世界をめぐる】第3回 セビリアからサンパウロヘ
- 石井 勢津子
コラム
■Event Calendar■掲示板
■O plus E News/「光学」予定目次
■New Products
■オフサイド
■次号予告
表紙写真説明
東芝が開発した映像解析システムによりラグビー戦術分析に役立てられるのを目的としている。写真は,着目したい選手を選択し,追跡している間,2次元フィールド上の推定位置のフレーム間の差分をもとに,走行距離と現在のスピードを推定した様子である。画面左下の数字は,選手の走行距離とスピードを表示している。(関連記事「ラグビー映像解析による戦術分析の効率化」東芝 大内 一成:詳細は411ページ)
特集にあたって慶應義塾大学 青木 義満
2020東京オリンピックへ向けて加速するスポーツICT
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて,スポーツに対する国民的な関心が高まっている中,スポーツへの活用に向けたICT(Information and Communication Technology)の研究開発が盛んに行われている。以前から,映像やセンサー情報を活用して競技者のスキルを計測,可視化し,スポーツ強化やコーチング支援を行う取り組みや,センシングした情報を放送映像に活用することで,視聴者向けに新たな付加情報を提示する取り組みなどが行われてきた。近年の撮像技術,画像認識技術,センサー技術,情報提示技術の発展と,2020年における実用化へ向けた集中的な取り組みにより,様々なスポーツ種目において,現場で活用することが可能なスポーツ競技支援,スポーツのためのシステムが導入されつつある。このような現状を鑑み,本特集では,我が国におけるスポーツ現場での実利用を目指した最新のICT技術やシステムについて,具体的な取り組み事例を紹介していきたい。スポーツにおいて,判定の正確性や公平性に対する要求の高まりから,センサーやカメラ映像などを活用した判定支援のためのシステムが実際に運用されている。テニスにおけるボールの着地位置判定,サッカーのゴール判定精度向上のためのシステムなどがその例である。一方,より客観的かつ定量的な評価への要求が高い採点競技に関しては,詳細な人物の動きのセンシングが必要なことから,技術的なハードルが高かった。本特集では,体操競技を対象とし,3Dレーザーセンサーを用いて選手の動きをセンシングすると得られる人物骨格情報から,高速かつ高精度に動作認識,技判定を実現するシステムについて,富士通研究所の手塚耕一氏らにご執筆いただいた。
サッカーなどのチームスポーツにおいて,選手やボールの位置情報を基とした戦術分析は盛んに行われている。しかし,これまでのシステムはスタジアムに固定された複数台のカメラの情報を統合するような大がかりなものが主流であった。一方,カメラの台数を減らすと,選手同士の遮蔽やカメラワークに対応する必要があり,技術的なハードルが高かった。それらの課題を解決すべく,1台のカメラで撮影したラグビー試合映像を対象に,画像処理と深層学習を用いて選手やボールの位置を頑健に取得しながら,自動的に主要プレーの分類までを行うシステムが開発されている。東芝の大内一成氏には,技術,システムの概要とサッカーなど他のスポーツへの適用可能性についてご執筆いただいた。
スポーツの戦術分析において,選手やボールの位置情報が重要であることは前述のとおりであるが,カメラ映像を用いたシステムでは,撮影装置とデータの扱いにかかる人的コストが比較的高いという課題がある。一方,近年,高精度な位置情報取得が可能な測位衛星(GNSS:Global Navigation Positioning System)による位置情報の活用が進んでいる。慶應義塾大学の神武直彦氏らには,スポーツにおけるGNSSによる位置情報利活用の現状と課題,展望について,ラグビーやフィールドホッケーなどにおける具体的活用事例を交えて解説していただいた。
スポーツ競技の躍動感・臨場感を視聴者に伝えるためのライブ中継・配信システムに,スポーツ映像解析の最先端技術を適用する試みも盛んである。パナソニックの田靡雅基氏らには,「見えないものを可視化する」画像センシング事例として,“泳速”を可視化する競泳解析技術,“サーブやスパイクの選手別傾向”を可視化するバレーボール解析技術,競技パフォーマンスに影響する心拍数を映像のみから推定する非接触バイタルセンシング技術,について解説していただいた。
スポーツにおける競技力強化に向けたICT活用も精力的に進んでいる。その中でも特に,仮想現実感技術を活用したシステムは,直感的,主観的な情報提示によるトレーニング支援が可能であり,様々な検討が行われている。NTTメディアインテリジェンス研究所の三上弾氏には,NPB球団との議論を通じて構築したVR野球イメージトレーニングシステムについて,技術,システムの概要から,実際に2016年シーズンを通して行われた選手の主観評価結果なども交えてご執筆いただいた。続いて,競技者自身の競技映像とセンシング情報を重畳表示する複合現実感技術を用いた可視化によるスポーツトレーニング支援について,奈良先端科学技術大学院大学の武富貴史氏らにいくつかの事例を紹介していただいた。また,拡張現実技術を用いた競技者への視覚フィードバックに関する事例として,多数のカメラとkinectを活用したリアルタイム多視点映像提示システムについて,先進的な取り組みをされている筑波大学の北原格氏にご執筆いただいた。松戸整形外科病院の石井壮郎氏には,スポーツ現場と医学と理工学が交わる学際的な視点から,選手の競技能力を向上させつつ傷害リスクを減らすことが出来るモーション生成システムについて,これまでの具体的な取り組みをまとめていただいた。画像センシング技術と主成分分析などの情報処理技術,蓄積された貴重なパフォーマンスデータおよびスポーツ傷害データを用い,スポーツの現場で活用可能であることを重視したシステムを開発されている。
最後に,スポーツ現場において実際に行われた映像情報からの戦術分析の事例を取り上げる。日本ユニシスの高橋正和氏には,これまで蓄積された実際のバドミントン試合映像に対して,手作業でタグ付けされたデータを用いた戦術分析のための情報可視化と競技支援の実例とともに,今後のICT技術活用の展望についても述べていただいた。
以上,本特集では,スポーツ現場での実利用を目指した最新のICT技術やシステムについて,様々な立場・視点から最先端の興味深い事例を紹介した。これらの取り組みが,2020年の東京オリンピックで活用されることは勿論,子供達や多くの世代の人々に,スポーツをする楽しさ,観る楽しさを提供することに繋がっていくことを期待したい。
広告索引
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