超小型・高性能な電気光学変調器の開発に成功情報通信研究機構
これまで有機電気光学ポリマー材料は,高い電気光学係数と超高速応答性を持っているが,その屈折率が小さいため,小型・集積化は困難であると考えられてきた。今回,シリコン1次元フォトニック結晶と有機電気光学ポリマーとのハイブリッド構造を実現,数百ナノメートル以下という微小領域に光を閉じ込めて伝搬させることが可能となり,これによって素子サイズの大幅な小型化が実現した。また,フォトニック結晶構造の中では,「スローライト」という減速した光状態を作り出すことが可能であり,この効果を利用してデバイス内の電気光学特性を大幅に増大させることで,電気信号から光信号への変換効率を高めた。
今回開発した電気光学変調器は,低消費電力,超小型,超高速という3つの特性を併せ持っている。これは100GHzを超える超高速・低消費電力なオンチップ光配線,チップ間の光通信の実現につながるものとして期待されている。