「2色XFEL」の生成に成功理化学研究所・高輝度光科学研究センター

理化学研究所と高輝度光科学研究センターの研究グループはX線自由電子レーザー（XFEL）施設「SACLA」で，異なる波長の2つのX線光パルスを同じ電子ビームから発振させる2色XFELの生成に成功したと発表した。

今回，同研究グループは，電子ビームを迂回させて遅延させる減速用のシケインを放射光発生装置に通し，シケインの上流・下流の磁場を独立に変えることによって，2つの波長でレーザーを発振させることに成功した。電子ビームはシケインで迂回するため，迂回量を制御することで，1つめの光パルスと2つめの光パルスの時間差を高精度で変えることが可能なほか，2つの光パルスを異なる方向へ放射することもできる。

今後は，これまで観測することが難しかった現象の時間変化を精度よく観察することが可能になるほか，新しい実験手法の開拓が期待できるとしている。