X線レーザーで生きた細胞をナノレベルで観察することに成功北海道大学,理化学研究所,高輝度光科学研究センター,東京薬科大学,共和化工環境微生物学研究所
これまで電子顕微鏡やX線顕微鏡で生きた細胞をナノメートルの分解能で観察するのは,電子線やX線の照射によって細胞が死んでしまうため不可能だった。今回,10フェムト秒以下という極めて短いXFELの発光時間を利用して,細胞が放射線による損傷を受ける前の一瞬の姿を捉えることに成功,コヒーレントX線回折という先端的手法により,細胞内部のナノ構造が高いコントラストで可視化された。
今後,さらに分解能を向上させることにより,自然な状態にある生体分子のナノ構造の解明など,医学上の応用にも期待される。